
このような視力検査表に使用されているものを「字づまり視標」と呼びます。
一般論として、6歳~8歳くらいまでのお子様ですと、この手の「字づまり視標」では、
良好な検査結果が得られない場合があります。
このような場合に効果的なものが「字ひとつ視標です」

1枚のボードに、ひとつのランドルト環が記されています。
これを検者が手に持ち、上下左右に掲示することで視力を測定していきます。
被検者が、方向の理解が困難な場合は、ランドルト環の模型を被検者に持たせます。

検者が、ランドルト環を下に向けて掲示したのなら

被検者はこの模型を、同じように下に向けるわけです。

3歳くらいになれば、何回か練習することにより、この方法で視力測定は可能なことが多いです。
当店では、低年齢のお子様の眼鏡処方については、眼科での検査をお願いしておりますが、
保護者のかたから「このメガネで、どれくらいの視力があるのでしょうか」などと尋ねられたときは、
この「字ひとつ視標」を利用して、チェックをしています。
お子様の場合、ご本人の集中の度合いとか、こちらの指示の出し方などで、視力は
変動してしまうことが多いですが、目安にはなるでしょう。
ただ、当店の検査室は、あまり明るくはないので、この「字ひとつ視標」だと、
コントラストが低下してしまい、多少分かりにくいような気もしています。
そんなときには、通常使用している、行灯タイプの視力表を使います。

残念ながら、「字ひとつ視標」の提示はできないので、こんなふうに板に穴をあけたもので、
無理矢理「字ひとつ」にしています。

「字ひとつ」のランドルト環でも、反応が芳しくない場合には、こんな風な「絵ひとつ視標」で
代用することもあります。

ちなみに、これは当店にはありません。
冷静かつ客観的にみて、必要性がほとんどなさそうなので、購入せずにおります。
当店の行灯式視力表は、移動させるのが大変なので、5mでの0.05の視標が
判別できないようなかたの検査の場合にも、「字ひとつ視標」は有効です。
だれかに視標を持っていてもらわないといけないのが難点ですけど。
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