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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

緊張性迷路反射

視覚システムの発達に影響を及ぼす「原始反射」シリーズ、第2弾。

本日は、緊張性迷路反射(TLR・・・The tonic labyrinthine reflex)についてです。

これは、モロ・リフレックスと密接な関係にある反射で、前庭起源であり、迷路(平衡感覚を司る器官)への刺激や空間における体の位置の変化によって生じます。

たとえば、脊椎面よりも頭が前方に倒れた場合(顎を引くような感じ)には、両手・両足が屈曲し、子宮内にいるときのような体勢をとります。(前方のTLR)

また、脊椎面よりも頭が後方に倒れた場合(顎を上げるような感じ)には、両手・両足は産道を通るときのような感じに伸びます。(後方のTLR)


首が座っていない時には怖くて実験できなかったために、理想的な状態にはなっていませんが、

前方のTLR
1001102.jpg

後方のTLR
1001101.jpg


うまく撮れなかったので、イラストも載せておきます。

TLRsally.jpg
イラスト出典; Sally Goddard "The Role of Primitive Survival Reflex in the Development of the Visual System"
Journal of Behavioral Optometry 1995 volume 6/2


この反射は、生後数週間の間、伸筋と屈筋のバランスをコントロールし、筋肉の正常な緊張状態を全身へ行き渡らせる(教え込ませる)ために極めて重要な役割を果たします。
また、空間において、重力に対する頭位を認識・確立させる契機にもなります。

通常TLRは、3歳くらいまでに抑制されていくものですが、これがいつまでも残存していると、極端にいえば頭の位置によって体の動きが影響を受けてしまいますし、前庭機能が不安定になるため、空間把握が苦手になります。
空間把握が苦手ということは、上下・前後・左右の認識がしにくくなるということです。

上下・左右の認識ができないと、たとえば、「し」という平仮名は、上からまっすぐな線を下ろしてから右上方にカーブをするように書くわけですが、これを左上方へカーブするように書いてしまったり(鏡文字)、アルファベットでいえば小文字のb・p・d・qの区別がつかなかったりということになります。
(左右の認識は8歳ごろまでに確立されると言われていますので、小学2年生くらいまでのお子さんが鏡文字を書くこと自体は、珍しくありません)

また、バランス感覚も悪くなりますし、眼球運動の正常な発達を妨げる要因にもなるのです。


参考文献 「視覚システムの発達における原始反射の役割」 木部俊宏 JOAジャーナル 2002 No.20 Vol.2 
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  1. 2010/01/10(日) 23:01:57|
  2. 視機能・視覚・検査など
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