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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

近視過矯正に慣れている場合の度数決定

以前にネタにした気がするのですが、確認するのが億劫なので、ダブっていたらごめんなさい。

「現在使っているメガネの見えかたに不自由はないが、メガネを新しくしたい」という主訴のかたは普通におられます。
こういう場合、現在のメガネと同じ度数にするか、一応度数測定するかは、ご本人の判断にお任せします。

ここでは、当店の利用が初めてで、来店動機は家から近いから、というかたが、度数測定を希望された、と想定します。
年齢は22歳くらいにしておきましょう。

現在使用眼鏡(1年前に他店で調製)
右 S-3.50
左 S-3.50
光学中心間距離65mm

当店測定完全矯正値
右 S-2.75
左 S-2.75
瞳孔間距離65mm
遠見融像除去斜位 3△外斜位
近見融像除去斜位 6△外斜位


当店の測定値が正しいとしますと、現在使っているメガネは3段階の近視過矯正になっているようです。

無論、他店での完全矯正値がどうだったかはわからないのですが、仮に当店測定値と同じだとすると、外斜位も大きくはありませんし、あえて3段階も過矯正にする、いわゆる「マイナスレンズ処方」を選択する合理的な理由がなさそうです。

そうすると、この1年で近視度数が減ったか、その時の測定が誤っていたか、もしくはその両方か、といったところかと思われます。

問題は、この人の新しいメガネの度数をどうするか、ということです。

現在のメガネに不自由がなく、1年間使っている、若い人です。

近視の過矯正は避けたいですから、当店の完全矯正値で作ったとすると、「何か遠くが見にくい」「前のメガネのほうが遠くが見やすい」といった反応が返ってくる可能性があります。
強い度数の見えかた慣れてしまっていたり、過矯正眼鏡を装用し続けていたことによる一時的な調節緊張になってしまい、完全矯正値であっても物足りなく感じてしまうことは珍しくありません。

たとえば、使っているメガネで眼が疲れるとか、当店のホームページを見て詳しく測定してくれそうだからと期待して来店した、といった背景があれば、私の説明も頭に入りやすいでしょうし、新しい見えかたに慣らしてみようというモチベーションもあるかと思います。

しかし、今のメガネに不自由がなく、度数とか視機能に頓着がなかったりすると、単純に遠くの見えにくさが強調されてしまい「ダメじゃん、このメガネ」ということになってしまいかねません。

無難なのは、同じ度数で、つまり三段階過矯正でおつくりすることかもしれませんが、それはプロとしてどうなのよ、という葛藤が生じます。

そのあたり、諸々考えて、最終的に

右 S-3.00
左 S-3.00

と、一段階だけ過矯正状態で作ってみる、ということはあり得ます。
場合によっては二段階過矯正にするということもあるかもしれませんが。
いずれにしても、その経緯を十二分にご説明・ご理解いただけるよう努めることは言うまでもありません。

その後1~2か月経ったら、近視を減らして、最終的に完全矯正値に持っていく、ということができれば理想です。
(この場合の費用をどうするのかという話は、ここでは割愛します。)

視機能的に理由のない過矯正眼鏡を納品するというのは、褒められたことではないですが、ときとしてやむを得ないこともあるという話です。


なお、このような背景で過矯正にしたとして、このかたがしばらくしてから別の眼鏡店なり眼科なりで度数を測定した結果、過矯正であることが判明し、「このメガネ強すぎますよ。だめですよ、こんなの掛けてちゃ」などと言われ、過矯正にした背景を覚えちゃいない場合、「なんだよ、あの店は」と思われてしまうリスクもあります。

不自由のない過矯正眼鏡から、度数を完全矯正値に近づけようという場合、このようにいろいろな問題点が生じてしまうのであります。
悩ましい案件の一つです。



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