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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

水中でのスイミングゴーグルの度数

左右とも
S+8.50 C-1.00 AX180
といった感じの女の子(実際は少し違います)。

水泳教室でゴーグルを使いたいとのこと。

当初は、「プールサイドとか、プール内で水から顔を出しているときにはっきり見える」ということを想定して、スワンズのオーダーメードで上記度数を組み込んだものをご注文いただいたのですが、すぐにお母さまから連絡がありました。

お嬢様曰く、水中でよく見えるゴーグルが欲しい、とのこと。
そうなると話が変わってきます。

スワンズのオーダーメード度付きゴーグルは、レンズ前面にカーブがつきます。
下図はスポルディングの既成度付きゴーグルレンズですが、これも微妙に前面カーブがついています。

ixy_20190224_005.jpg

このように前面カーブがついたレンズの場合、水中でなければ所定の度数が出ますので問題はありません。
しかし、水中では度数が変わりますので注意が必要になります。

具体的には、前面カーブに一定の係数を乗じた分だけ、マイナス度数が増えることになります。

したがって、完全矯正値で近視のレンズを装着すれば、水中では過矯正になってしまいますし、遠視の場合は低矯正になります。

このお嬢様の場合は、冒頭の度数で作ったとしても、水中では、概算すると、+3Dに満たないパワーしか得られないようでした。
それでも裸眼よりはマシかとは思うのですが、もうちょっとどうにかしたいです。

「水中以外ではゴーグルは外すので、水中でしっかり度数が出るように遠視の過矯正でも構いません」とお母様はおっしゃるのですが、JOAジャーナルに眼鏡学校の今枝先生がまとめてくださった表を参照する限り、遠視度数を強くすると前面カーブも増えてしまうため、余計にマイナス方向への変化が増大し、結局水中の度数は大した度数にはなりません。

ではどうすれば、水中での度数が、このような変化をせずに済むかというと、前面カーブがない、フラットであればオーケーです。
タバタの既成度付きゴーグルであれば、前面がフラットなので具合が良いのです。

しかし、最近までスポーツ用品店での取り扱いがメインで、眼鏡業界には流れていなかったようで、困ったなと思っていたら、普通に問屋さん経由でオーダーできるようになっていて助かりました。

ただし、既製品なので、+6Dまでしかありません。

S+8.50 C-1.00は、乱視をないものと考えると(等価球面)、S+8Dに相当します。
眼位を考慮して、完全矯正値よりも若干遠視の過矯正にされているそうなので、+7.5Dくらいが本来必要な度数なのかな?
だとしたら+1.5Dの未矯正ということになりますが、それくらいならだいぶマシなのでは?
それ以上の度数は望んでも無理なわけですし。

ということで、左右とも+6Dの既製レンズでやってみることになりました。
そのほうがお値段もかなり安いですしね。

ixy_20190224_004.jpg

このように前面がフラットです。

ixy_20190224_002.jpg

そのかわり、レンズ後面にカーブが付きます。
写真では、わかりにくいですが。

ixy_20190224_003.jpg

そうするとどうなるかというと、通常の遠視用メガネを逆から見たような感じになります。

通常の遠視用メガネレンズと眼との関係がこうだとしたら、

IMG_1614.jpg

このゴーグルはこんな感じになります。
(前面カーブは、このゴーグルはフラットですので、図とは異なります。)

IMG_1615.jpg

これだと、光学中心を通してみないと、見えにくいというか違和感が出やすくなります。

しかしながら既製品ですので、瞳孔間距離と光学中心をきちんと合わせることはできません。
「たまたまぴったり一致した」ということはあり得ますが。

幸い、変な見えかたではないとのご反応でしたので、これで使っていただくことになりました。


ということで、水中での見えかたを重視する場合、ゴーグルの前面カーブを考慮しないと、痛い目に遭いますよ、という話でした。









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