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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

色弱の子どもがわかる本

当店で取り扱いをしている色覚支援レンズ「イーガ」。

↓これは店頭でのお試し用です。

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これまでに何度かお電話でお問い合わせはあるのですが、いまだ一度も販売したことがありません。
私に商売っ気がないというか、バカ正直というか、私自身が色弱のため、当事者の立場で感じていることをそのまま伝えるので、購買意欲をそそるようなセールストークをしないのも悪いのだと思うのですが。

要するに、このレンズは、色覚異常を治すものではなく、色覚異常者が見分けにくいものを見分けられるようにするのが目的なので、健常者と同じ世界で見えるわけではないということです。

例えば仕事で、色の区別がつけにくい部品を選別しなければいけないとか、区別がつきにくい押しボタンを操作しなければならない、などといった場合には効果を発揮するかとは思いますので、そういう目的であればお勧めする価値はあると思います。
というか、そういう目的で取り扱いを始めたわけです。
1型・2型に、この1種類で対応でき、度付きも可能で、お値段的にも他社さんの製品よりはお安いので。

ですが、多くのかたは「健常者と同じ見えかたになる」と思っておられるようなので、そうではないことはきちんと伝えないと、せっかく期待いっぱいでご来店されても落胆されるだけでしょう。

見ての通り、レンズに濃い色がついていて、その色を通してみるのですから、健常者と同じ見えかたになるはずがないのです。
真っ白い紙は、この色を通せば真っ白くは見えないということです。

色の区別がつきにくくて、子供さんが学校で他の子からからかわれたとすれば、子供さんもご家族もつらいと思います。
かといって、このレンズを組み込んだメガネを掛けて学校へ行ったとしたら、今度は「なんやこいつ、変なメガネかけとるで~」と結局嫌な思いをすることにもなりかねません。
人の弱み・周りの人と違う特性を突いてくる子どもというのは、一度ロックオンした対象にはそういう態度を取るものです。

そういったことから、結果として「当店では扱っていませんが、他社さんの色覚サポートレンズも試してみたらどうですか?ここまで濃い色がついていませんし。」という流れになったら、もう購買意欲は湧かないですよね。
(だったら、他社さんのレンズも扱えばいいのですが、高価ですし、考え中です。)


色覚異常は治せません。
うまく付き合っていくしかないのです。
そのためには、周りのサポートも大切です。

ということで、前置きが長くなりましたが、日本オプトメトリック協会のジャーナルで、キクチ眼鏡専門学校の加藤教授がご紹介されていた本を入手してみたので、紹介します。

「色弱の子どもがわかる本」 かもがわ文庫

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「色弱の子ども(がだれなのか)がわかる本」ではなく、「色弱の子ども(の困っていること)がわかる本」「色弱の子ども(へのサポートの仕方)がわかる本」とご理解ください。

まぁ、サブタイトルから想像はつくかと思いますけれど、

色覚異常のある子供さんは、どのようなことで困ることがあるのか。
そのとき、家庭や幼稚園・保育園・学校では、どのような配慮をしてあげればよいのか。

ということが、具体的事例を挙げながら、漫画で説明されています。

色覚異常のタイプや程度によって、苦手な色は変わってきます。
ですから実際には、必ずしもこの事例の通りにはならないかもしれませんが、参考になるところは多いのではと思います。
3型(青系統が苦手)についての記述がほとんどないに等しいのは気になりましたが、極めて稀だということで、あえて触れなかったのかもしれません。

私は学校等で「見る力」に関する講義をさせていただく際には、必ず色覚異常の話を盛り込んでいます。
講義の趣旨からは、ちょっと外れてしまうところなのですが、先生がたには知っておいてほしいと思うからです。
そういう意味では、教育に携わる方々には、眼を通していただいてもよいのではと感じました。


もっとも、実社会においては、みんながみんな、このような配慮をしてくれるわけではありませんから、当然苦労することはあります。
私(色覚異常者本人)が言っているのですから、間違いないです。
周りのサポートは大切ですが、色覚異常を持つ本人が、その特性を理解し受け入れることが大前提というか大切であることは言うまでもありません。

ただ、そこまでのことをこの本に求めるのは酷というもので、こういう草の根的な活動を通じて、「カラーユニバーサル」が普及していけばいいなと思います。



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