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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

当店でのビジョントレーニングへの取り組みの現状について(前編)

私はキクチ眼鏡専門学校を卒業してから、アメリカのパシフィック大学オプトメトリー修士課程に進んだのですが、そこで何を学びたかったのかというと「ビジョントレーニング」です。

一口に「ビジョントレーニング」といってもいろいろな切り口がありますが、私はごく単純に、輻湊・開散・調節といった最もベーシックなトレーニングのやりかたを勉強したかったのです。

眼鏡学校での「視科学」系の講義では、ことあるごとに「ビジョントレーニング」という言葉・対処法が出てきましたが、具体的な手法については、基礎両眼視学の実習で一瞬触れただけでしたので、そこを本格的に習得したかったわけです。

帰国したら実家の眼鏡店で働くという前提での渡米でしたので、トレーニング専門の施設を開きたいなどといった大それた目標があったのではなく、トレーニングを並行して行なったほうが主訴の解決につながると思われるお客様がいらしたときに適切な提案ができたら、それは差別化につながる、そんな風に考えていました。

私自身、外斜位が大きいですから、みずから体験できるし、説得力もあるだろうと。
スポーツビジョン(スポーツ選手を対象にしたビジョントレーニング)には、特段興味はありませんでした。

オプトメトリー学部で最初に履修した講義が、「斜視・弱視」と「Visual Perception(視知覚・視覚認知)」でした。
そこで初めて、視知覚・視覚認知に対するビジョントレーニングがあるのだ、ということを知りました。

眼鏡店に来るお客様に対して行なうトレーニングではないなと思いつつ、日本ではあまり知られていないのではないかとも思いましたので、両眼視系と視知覚・視覚認知系のトレーニングをしっかり勉強しておこうと、方向性を決めました。

ここを押さえておけば、スポーツビジョンはそれの応用というか、各スポーツに重要視される視能力を向上させていけばいいわけですから、あとからどうにでも知識的には追いつけるなと考えていました。
(自分は野球とかバレーボールとかボクシングとか、あるスポーツを指導できるほど取り組んだことがなく、選手の目線に立ったスポーツビジョントレーナーにはなれないと考えていたので、あまり足を突っ込まなかったのです。)

学内のビジョントレーニングクリニックで自らトレーニングを体験したり、いろいろな事例に触れたりしながら、臨床的な経験をし、卒業後はオレゴンやコロラドのビジョントレーニングを取り入れているクリニックを見学させてもらい、「原始反射の抑制効果」をはじめとした「体を使うビジョントレーニング」も学びました。


帰国してから一年後に私は実家の眼鏡店(一心堂です)で働き始めました。
このころは、内藤O.D.や北出O.Dの書籍が注目されはじめ、奥村先生もLDセンターから発信を始めた時期でしたので、「オプトメトリスト」という言葉をたよりに調べられた親御さんから、発達障害の子供さんのビジョントレーニング(視覚認知中心のもの)の依頼が早い時期から舞い込みました。

私は発達障害そのものについて深く勉強してきたわけではなかったですし、発達障害をもつ子供さんや、その親御さんとの接しかたもぶっつけ本番に等しかったですから、ご迷惑もお掛けしてしまいました。
自分の知識を提供する代わりに、自分も勉強させてもらっていた感じでした。

ですが、眼鏡店の業務を行ないながら、発達障害の子供さんを相手としたトレーニングに力を入れていくには、不器用な私にとって経営的側面以外にも考慮しないといけない問題があることに気がつき、たくさんのご要望をいただきながらも「視覚認知のトレーニングは、新規の受付を休止」という判断をすることになったのでした。

なお、通常の両眼視機能のトレーニングについては、当店でメガネをご注文いただいたかたの中で必要と思われる場合に、引き続きご提案を続けております。

(後編へ続く)



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  1. 2018/09/03(月) 23:50:42|
  2. ビジョントレーニング
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