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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

指示の出しかた

眼鏡度数を決めるために行なう検査は、その大半を「自覚的検査」に委ねています。
これは「検査される人(以下、被検者)の感じかたに左右される」検査です。
言い換えると、「被検者の返答1つで、どうにでも検査結果を左右できる」検査ということです。

たとえば、心電図検査中に「ちょっとここらで心房細動を入れてみよう」とか、血液検査の際に「中性脂肪を20くらい下げときましょか」といった感じで、被検者が自分の意志でデータを操作することは、常識的には不可能です。

一方、屈折異常測定の検査は、オートレフやレチノスコープなどの「他覚的検査」の結果がどうであっても、「自覚的検査」において「見えへん」と言われたら、そのお答えを尊重するしかありません。
(そこを悪用すると、本当は見えているのに見えていないと嘘をつく「詐盲」が成り立つことになりますが、OKNドラムを用いるなどして、見えていることを立証することは可能です。)

まぁ、それは極端な例としても、屈折検査や眼位検査は、被検者にとって返答に迷ってしまうような場合も少なくありません。
「どちらが見やすいか」と問われても、どっちとも言えるような場合もあるかと思います。

したがって、検査者はできるかぎり適切な返答が得られるように、指示の出しかたに留意しないといけないわけです。
また、指示の出しかたは検者なりに適切だと思っていても、返ってくる返答に信頼がおけない場合は、別の検査をやってみるのもよいと思います。

以前、乱視検査に用いられるクロスシリンダーテストを行なったときのこと。
提示している視標のぼやけかた・ゆがみかたが、

・1枚目のレンズのほうがマシ
・2枚目のレンズのほうがマシ
・どちらのレンズのぼやけかた・ゆがみかたもほぼ同じ

の、どれに当てはまるかを答えていただく過程において、何回やっても「2枚目」と答えるかたがいました。

「これは1枚目と答えるはず」の状況でも「2枚目」とお答えになるので、本当に2枚目がマシだと思って答えているのか、そのあたりを遠回しにお尋ねすると「だって私、2枚目が好きなんだもん」と言われました。

このときは「1枚目・2枚目」という表現を別の表現に変えることで何とかなりましたが、被検者に応じて臨機応変に対応していくことが信頼度の高い自覚的検査データを得るために検者に求められる技量かと思います。



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  1. 2018/08/06(月) 23:30:38|
  2. 視機能・視覚・検査など
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