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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

距離によって必要なプリズム量が異なるケース

以前、距離によって斜位の量は変わる、という話をしました。

それ自体は、ごく普通のことですが、であるがゆえに、近見で必要なプリズム量と、遠見で必要なプリズム量というのは、異なることは珍しくありません。
ただ、一枚のレンズで度数が変化する累進レンズのように、一枚のレンズでプリズム量を任意に変化させられるレンズというのは、私は知りません。

そのため、時によっては、プリズム量の決定を、お客様の自覚に委ねざるを得ないことがあります。
(無論、どんな場合でも最終判断はお客様にお願いすることになるわけですが。)
距離によって、複視の程度が変わる場合、というのが、その一例です。

たとえば、50センチよりも近くの距離は問題なくて、50センチから離れるほど、複視が大きくなってくる、医師からは少し様子を見ましょうといわれている内斜視の場合。
様子を見ましょうと言われても、今、困っているのだから何とかしてほしいということで、今何とかできるプリズム量を探すとします。
5メートルの距離で複視が解消されるプリズム量があったとして、それで万事解決かというと、そう単純にはいかないことが多いです。
20メートル先はプリズムが足りなくて複視になり、40センチの距離は無駄なプリズムのために疲れる、ということはあり得るわけですから。

こういうときは、複視という明確な判断基準がありますので、どの距離での複視が解消できれば良いのかを念頭に置き、近見を考慮することになります。
40センチの距離はメガネを外して見ればいいという人もいますし、近業用にかけかえればいいという人もいますし、掛け外しなく済ませたいという人もいます。

なのでこうしたケースでは、止むを得ず、ご本人の自覚を頼りに、 テストレンズをいろいろ試しながら最も妥協できる着地点を探していくことが多いのですが、私の考えの入る余地はほとんどなくなります。
理論がどうであれ、お客様にノーと言われれば、それは使えないのですから。

お客様に丸投げしてしまうプリズム量選びに関しては、ある意味「いい加減」と受け取られてしまうかもしれませんが、お客様が使いやすければそれが一番良いわけで、選ばれたプリズム量に対する注意点の説明であったり、レンズやフレームを選んだり、加工やフィッティングで、専門家としての腕を発揮できれば、その「いい加減さ」は相殺されるかなと感じます。






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