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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

レンズのキャンセル

業界紙に「消費者センターに寄せられたメガネ関係のクレーム」というのが、たまに掲載されます。
「前日注文したレンズを、翌日朝一番にキャンセルを頼んだが断られた。納得できない」といった趣旨のものが、毎回目につきます。

この種の問い合わせのポイントは「まだ注文をしただけで、使ってもいなければ受け取ってもいない。
出来上がっていないのに何でキャンセルができないんだ」ということです。

だいぶ長くなりますが、今日は、これについて解説することにします。

ただし、店がお客様に対してキャンセルを受けないことの是非については触れません。
ここでは、店がレンズメーカーに対してキャンセルをかけられるのか、ということに的を絞ります。
なお、以下に記載するメーカーに対するキャンセルの取り決めは、うちの店での場合です。
店によっては異なるケースもあると思いますので、あくまでもご参考にとどめてください。


店がメーカーに注文するレンズには2つのタイプがあります。
1つは、メーカーが作りおきをしているものです。
一般に「在庫レンズ」と呼ばれます。
これに関しては、店側が手をつけない限り、つまり袋を開けて削ってしまったりしなければ、
キャンセルすなわち返品が可能です。
しかしながら、メーカーへの往復分の送料は、無駄になります。
言い換えれば店の損失です。

もう1つが、店からの注文を受けてから作り始めるもの。
「別注」「特注」などと呼ばれます。
具体的には、
・「在庫レンズ」の範囲に当てはまらない度数
・レンズに特殊コーティングをつける
・レンズに色をつける
・フレームサイズを考慮して、厚みが薄くなるような注文をする
・累進レンズに代表される多焦点レンズ
などが該当します。
このケースが厄介なのです。

レンズの注文は、パソコンによるオンラインか電話で行ないます。
オンラインで頼んだ場合の例を紹介します。

オンラインでレンズを頼んだけれど、度数を間違えて入力していたことに気がついたとします。
すぐにキャンセルをせねば、ということでキャンセルをするための画面を開きます。

cancel0k1.jpg
「状態」が「加工前」となっていれば大丈夫です。

ここで、キャンセルのコマンドを作動させると
cancel0k2.jpg

「はい」を選択すると
cancelok3.jpg
これでキャンセル完了です。
よかった、よかった。

では、冒頭に紹介したようなケースはどうでしょう。
ためしに昨日承ったレンズを、キャンセルしようとしてみます。

同じようにキャンセルをするための画面を開きます。
cancelno.jpg
小さくて見にくいですが、画像をクリックすると拡大します。
発注日は昨日の日付です。捏造はしていませんよ。

「状態」の欄を拡大してみますと
cancelno2.jpg
「加工中」となっていますね。

ここで、キャンセルコマンドを作動させます。
cancelno3.jpg

「はい」を選択します。
cancelno4.jpg
「加工中」と表示されます。
「了解」する以外に選択肢はありません。
けんもほろろに断られました。

つまり、このレンズは、お客様が必要としていなくても、入荷してしまいます。
お客様のキャンセルを受けるのであれば、店側はこのレンズ代がまるまる損失となります。

では、レンズを注文してからどれくらいまでなら、メーカーにキャンセルができるのでしょうか。
メーカーによって、違いはあると思いますが、うちの店の場合でしたら注文後一時間以内にキャンセルしないとアウトです。

ですから、お客様が「少しでも早く」と気を遣われて、翌朝早々に連絡をされても、間に合わないのです。
キャンセルではなく、「レンズの色や濃さを変えたい」「レンズの度数や種類を変えたい」といったお申し出でも同じことになります。
注文後、一時間を過ぎたら変更はできません。

レンズはそのままでいいけれど、フレームを変えたい、という場合も要注意です。
最初に選ばれたフレームデザインに合わせてレンズを注文した場合は、新しいフレームにレンズを転用できないこともあるのです。

店の損失についてはあきらめて、お客様のキャンセルを受けるかどうかというのは、店によって違うと思います。
レンズ代だけでなく、そのレンズを注文するために要した作業(度数の測定やレンズの説明など)も
無駄になってしまうわけですから、あくまでも突っぱねる店もあるでしょうし、半額でもいいからお客様
への負担を要求する店もあるでしょう。
お客様の立場で考えれば、到底納得できないと思いますが、店にもそういった事情があるので、すんなりキャンセルといかないことがあるようです。

ちなみに、当店ではキャンセルの依頼があったのは、この6年間で数えるほどです。
色を変えたい、濃度を変えたいというご要望が、年に数回ある程度です。
いずれも、お客様のお話をよく伺った上で、ケースバイケースで対応しています。

このようなトラブルを防ぐためには、注文をいただいた時点で「キャンセルは一時間以内」といった説明をしておくのが一番だとは思います。
ただ、お客様によっては「この私が、キャンセルをするとでも思っているのか」と不快に感じられる場合
もあるかもしれません。
簡単なようで、なかなか難しい問題なのです。

※ここでは、レンズのキャンセルについてのみ触れましたが、フレームについてもご注文の時点でお客様のお顔に合わせて大きくいじってしまっていますので、キャンセルになると非常に具合が悪いことを付け加えておきます。
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  1. 2008/12/13(土) 20:38:45|
  2. メガネ・フレーム・レンズなど
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