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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

視力はOKで、深視力がダメ

深視力テストが苦手だということで、当店に来られるお客様には、さまざまなパターンがあります。

その中で比較的多いのが視力テストは合格したけれど、深視力テストが全くダメだったというもの。

視力(片眼0.5以上、両眼0.8以上)は条件に達していても、所定の装置での立体感覚が得られない、ということです。

このお申し出の場合、深視力の精度を上げるには、大別すると下記の対応パターンが考えられます。
もちろん、全員が全員、精度アップできるわけではなく、(当店では)対応できないケースもありますが。

・屈折異常の矯正のみ
・屈折異常の矯正&両眼視のケア
・屈折異常の矯正は必要なく、両眼視のケアのみ

そして、このときの屈折異常で多くみられるのが、軽度の

①混合乱視
②単性乱視
③遠視性乱視

といった乱視がらみ、しかも乱視に関していえば「倒乱視」です。

「乱視?」「倒乱視?」その辺の細かい説明は割愛しますが、このような放射線視標で乱視の検査をした時に

15020311.jpg

横方向の線が濃く見えるのが「倒乱視」になります。

1502039.jpg

ちなみに縦方向の線が濃く見えれば「直乱視」、

15020310.jpg

斜め方向の線が濃く見えれば「斜乱視」になります。

1502038.jpg


ランドルト環での視力検査時には「倒乱視」があると、

15020312.jpg

左右の切れ目は判別できても、上下の切れ目が判別できないということが起こります。

上記に挙げたような軽度の倒乱視パターンなら、左右の切れ目はわかりますし、上下の切れ目は確率1/2ですから、視力的には裸眼であっても、さきの条件をクリアすることは決して難しくありません。


では、深視力テスト(三杆計)はどのように見えるかと言いますと・・・

あくまでも擬似的なものですが、まず正視眼

EOS_03952.jpg


軽度の近視の場合

1502031.jpg

全体がぼやけます。


単性直乱視(例、S-0.00 C-1.00 AX180)の場合

1502032.jpg

縦線が濃く見える乱視なので、縦棒の見えかた自体には、あまり影響がありません


単性倒乱視(例、S-0.00 C-1.00 AX90)の場合

1502036.jpg

横線が濃く(縦線が薄く)見える乱視なので、縦棒の見えかたが心もとなくなります。


続いて、これまた擬似的なものですが、位置によっての棒の見えかたを直乱視と倒乱視とで比較してみます。

●直乱視

真ん中の棒が奥にある

1502032.jpg

真ん中の棒が手前にある

1502033.jpg


●倒乱視

真ん中の棒が奥にある

1502035.jpg

真横に三本並んでいる

1502036.jpg

真ん中の棒が手前にある

1502034.jpg

倒乱視のほうが棒が多少ボケますが、直乱視に比べて、位置による真ん中の棒の見えかた(濃さ)の違いが、大きいです。(だからといって、棒の動きがわかるとは限りません)

したがって、「棒の動いているのはわからないが、代わりに真ん中の棒の濃さで返答している」というかたが時々いますが、倒乱視を持っているほうが、その作戦は使いやすいのかもしれません。
(もちろん、本来のテストの目的を達していないので、それで合格してもよいのかという問題はあります。)


さて、このような倒乱視のかたが当店に相談に来られ、矯正眼鏡を装用すると、棒がきれいに見えるようになりますから、上記のような真ん中の棒の濃淡の変化がわかりにくくなります。
したがって、棒の濃淡を手掛かりにすることは難しくなりますが、どのみち裸眼ではテストに合格できないのですから、矯正するしかありません。

ところが・・・

矯正するだけで動きがわかるようになることが多いのですが、矯正しても動きが依然としてわからないというかたもいます。

なぜか。


だいぶまえに「調節と輻湊の相互関係」という話をしました。

調節機能(ピント合わせ)を働かせれば、輻湊機能(両眼を内に寄せたり外に向けたり)も併せて働く。
輻湊機能を働かせれば、調節機能も併せて働く。
というものです。

調節機能と輻湊機能とは密接な関係があるため、調節機能に不具合があれば、輻湊機能もそれに巻き込まれて不具合を呈しやすい、ということがいえるわけです。


遠視や乱視の未矯正状態というのは、調節機能に負担をかけます。
(なぜか、の細かい説明は割愛します)

裸眼で視力検査にパスできる人であれば、ふだんはメガネを掛けていないかたが多いです。
近くが見えにくいのであれば、そのときだけ老眼鏡を掛けるわけです。

したがって、乱視および遠視の未矯正状態が生活時間の中で長くなりますから、その間は調節機能に負担をかけていることになります。
負担が続けば、正常な調節機能に不調が生じ、相互関係により輻湊機能にも不調が生じかねません。
輻湊機能に不調が生じれば、立体視も阻害されます。

このようなシナリオにより、「遠視・乱視の未矯正状態の放置が、正確な輻湊・精密な立体視を要求される深視力テストを困難にさせる。」
私は、このような仮説を立てています。

よって、こうしたケースでは屈折異常の矯正と併せて、輻湊力のケアを行なうことにより、深視力の精度アップをねらうというのが、当店のアプローチになります。
具体的にどうするかというのは、直接当店でご体験ください。




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  1. 2015/02/03(火) 23:38:20|
  2. 視機能・視覚・検査など
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