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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

度付きスイミングゴーグル

今日は、度付きスイミングゴーグルの話をします。

度付きといっても、既製の度数の入ったアイカップに付け替えるタイプではなく、

ixy_20140829_02 (1)

既製品で対応できない度数をオーダーで作るタイプです。

ixy_20140829_02.jpg

一般的なゴーグルよりも、視界(有効径)が狭くなってしまうのは、強度数のために仕方ないかもしれません。

ixy_20140829_03.jpg

そこは、ユーザーさんにご理解をいただくとして、度付きゴーグルで留意しないといけないのは、やはり度数の選択です。
プールサイドはともかく、水中での度数変化を考慮する必要があるからです。

ネット上では、「近視の場合は(本来の度数の)0.87倍、遠視の場合は1.13倍」を推奨値のように掲げているものがありますが、この数値の根拠は私には理解ができません。

なぜなら、「水中での度数変化は、アイカップの前面カーブに由来する」からです。

仮に、アイカップの前面カーブがフラット(真っ平)ならば、空中でも水中でも度数の変化は起こらないのです。
ゆえに、上記の倍率は意味を成しません。

ところが、前面カーブがついていると、水中ではマイナス度数寄りに変化をします。
つまり、変化した分だけ、近視であれば過矯正、遠視であれば未矯正の状態になるわけです。

「幾らの前面カーブで、度数がどれだけ変化するのか」の詳しい計算式・解説は、キクチ眼鏡専門学校の今枝教授が、『JOAジャーナル 2013 Vol.31 No.2』 にまとめておられますので、ここには記しませんが、上記の0.87倍とか1.13倍といった画一的な数値にはなりません。


逆に言うと、すべての度付きレンズの前面カーブが平面であれば、水中での度数変化を気にする必要はないのですが、どういうわけか、眼鏡店で取り扱いができるスポルディングの既製度付きアイカップは、前面カーブがついています。
オーダーメードの場合も、-9.00D以上でないと平面にならないそうで、これはメーカーさんに一考を促したいところです。
(実際に、提言したことはありますが、何も変わっていないところを見ると、相手にもしてもらえなかったようです。)

幸い、今回納品した度付きゴーグルは、-9.00D以上でしたので平面となるため、水中での考慮は不要でしたが、強度であれば、頂間距離(眼からレンズ後面までの距離)によって実装度数は変化しますし、鼻ベルトの調整の仕方ではPD(瞳孔間距離)が変わってしまい眼精疲労を誘発しやすくもなります。

そのほかにも何点か留意すべき事項はありますから、度付きスイミングゴーグルは、それなりの知識を持ったスタッフが応対にあたらないと、使いにくいものに仕上がる可能性があるといえるでしょう。


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  1. 2014/08/29(金) 23:37:57|
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