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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

深視力が苦手な人

大型自動車運転免許や二種免許取得などの際に必要とされる「深視力」。

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当店には、この検査が苦手で困っているかたからの問い合わせが多いのですが、当店で検査をしてみると、斜位の程度はわずかであるにもかかわらず、単純な屈折異常の矯正だけでは深視力の精度が不十分なケースが少なくありません。
メガネ+トレーニングが必要なパターンです。

それで、このパターンに陥るかたに多く見られる屈折異常というのが、両眼とも「混合乱視」かつ「倒乱視」です。(あくまでも、当店での場合ですよ。)

R S+0.75 C-1.25 AX95
L S+0.25 C-0.75 AX80

ってな具合ですね。


なぜか、と考えたときに、原因の一つとして思い当たるのが、これまでにも何度か取り上げてきた「調節と輻湊の相互関係」というもの。
「調節をすれば、それに応じた寄せ運動が生じる」というアレです。

実は、屈折異常の未矯正(本当はメガネを掛けたほうがいいのに、掛けずにほったらかしている状態)というのは調節機能に大なり小なり負担をかけるものなのです。

では、どういう屈折異常が、より負担をかけるかというと、遠視は言うまでもありませんが、ついで乱視です。
そして乱視のタイプ別でいえば、斜乱視→倒乱視→直乱視の順で調節に負担をかけると考えられています。


遠視というのは、絶えず調節を働かせているから調節に負担がかかるのは容易に想像がつくでしょう。
乱視というのは、方向(角度)によって眼の度数が異なるタイプなのですが、先に挙げた「混合乱視」であれば、ある方向は遠視、ある方向は近視ですから、どの方向にピントを合わせるかによって調節の度合いが異ならざるを得なくなります。
いわば、ビデオカメラのオートフォーカスがきちんと決まらず、ボケたり見えたりといった状態が常に続いていることになります。負担がかかりそうですよね。

そういう負担がかかった、不安定な調節状態の下では、相互関係にある輻湊機能も不安定になってしまいます。
いわば、理想的な環境下で輻輳機能を働かせる機会に恵まれていないため、本来の力を発揮したくても、いざとなると正しい動きができなくなると考えられます。

その結果として、繊細な両眼視機能を要求される深視力の精度が低下してしまうのではないか、という仮説が成り立ちます。


しかし、実務においては、深視力検査に合格することが至上命題になっていますので、ついついトレーニングがメインになって眼鏡装用は後回しになってしまうことも少なくありません。
軽度の混合乱視であれば、裸眼で視力検査はパスしてしまうことが多いため、免許証の備考欄に「眼鏡等」がつくのを嫌がられるかたが多いのです。
つまり、メガネを作らずに済ませてしまうケースがそれなりにあるということです。

安全運転の観点からはもちろん、視機能の保護を考えても、本来は眼鏡装用を積極的に進めるべきところではありますが「深視力検査に受かりさえすればいい」というかたが多く、なかなか皆さんにメガネをおすすめできていないのが歯がゆいところです。
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  1. 2011/08/07(日) 23:31:00|
  2. 視機能・視覚・検査など
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