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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

色立体視

本当に久しぶりに実務ネタを。
正しく理解している自信がないので今まで封印していた内容です。

近見での視機能状態を調べるときに、このような視表を使うことがあります。

EOS_2018_08_22_142.jpg

黒地に赤と緑の長方形が描かれていて、それぞれの長方形の中に黒字のランドルト環が記されています。

「赤と緑、どちらに書かれた輪っかが、よりハッキリ・クッキリと見えるか」をお尋ねするのですが、このときに「赤の長方形のほうが浮かんで見えます」とおっしゃるかたがいます。
(稀に緑の長方形が浮かんで見えるとおっしゃる人もいます。)

「そんなこたぁ聞いていない」などと口走ったら大変なことになりますから言いませんが、無論どちらの長方形も同じ平面板に描かれたものなので、物理的には立体感はありません。
でも、それが感覚的に立体感を持って見えるということです。

これは、「両眼単一明視下で感じられることのある錯視」と理解しています。
錯視というのは、「どちらも同じ長さの線なのに、それぞれの線の両端に補助線を書き加えることで、片方の線が長く(短く)見える」とかいう類の絵や図などのことです。


こちらのサイトで、「色立体視」という言葉で解説されていることが、これにほぼ合致すると思います。
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/scolor2.html


これまでに、両眼視機能の低下が原因と思われる不具合を訴えてこられたかたにプリズム処方を施した結果、後日になって「黒い背景に書かれた赤い文字や図形が浮かんで見えるのですが」というご相談をいただいたことが数件ありました。

今までのメガネでは、そんなことはなかったのに、当店で作ったメガネを掛けたら今までと見えかたが違う、ということで当然不信感を持たれるわけです。

これについては、
「適切なメガネを掛けたことで、これまでのメガネでは構築しきれていなかった両眼単一明視が確立されたため、このような錯視を感じることができるようになったと考えられる」
というのが、私の理解になります。

それでご理解いただければよいのですが・・・・

「黒地に赤」を見た以外の日常生活においても、何らかの不具合があるのであれば、これは「プリズムないし度数に慣れることができない」と考えて、何らかの変更をすべきでしょう。
不具合があるわけですから。

また、「ふだんは問題がない、むしろ今までよりも具合が良い。だけど黒地に赤は浮かんで見える」ということであれば、それはそれでよい反応だとは思うものの、「それはそうかもしれないけれど、こういう見えかたをするのは気持ちが悪い」と言われてしまえば、そういう見えかたがしないように変更するしかありません。
お客様に「NO」と言われているわけですから。


したがいまして、このような見えかたを感じられた時の当店としての対応はケースバイケースになりますが、「そういう現象があるんだ」ということを頭の片隅にとどめていただければ、本日の目的は達せられたと思います。


  1. 2020/05/11(月) 20:44:08|
  2. 視機能・視覚・検査など
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