ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。
7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)
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今週の21項目検査は、#4の静的検影法(静的レチノスコピー)です。
屈折検査というと、眼前にレンズを置いて「どのレンズが見やすいか」といった、いわばお客様の判断に委ねる「自覚的検査」を行なうのが通常ですが、この検影法というのはお客様の判断を要しない「他覚的検査」です。
オートレフラクトメーターによる測定も「他覚的」ではありますが、熟練者が検影法を行なえばオートレフラクトメーターの結果よりもはるかに信頼度の高い(自覚的検査と遜色のない)結果が得られます。
他覚的検査の利点は、お客様に自覚的判断を委ねられない場合(乳幼児や知的障害者など)にも対応ができるというところです。
知的障害のある人たちが参加するスペシャルオリンピックス世界大会のビジョンスクリーニングで静的検影法をやっている私。
さて、この検影法には「レチノスコープ」と呼ばれる道具が必要です。
この道具で眼(瞳孔)の中に光を当て、眼底からの反射光で度数を判断します。
夜にフラッシュをたいて写真を撮ると「赤目」になることがありますよね。
あの赤い色が、眼底からの反射光だと思ってもらえばよいかと。
人間をモデルにするのは、まぶしくて気の毒なので、検影法の練習に使う道具を用意しました。
中央の丸い部分を瞳孔に見立て、ここに光を当てながらレチノスコープを覗くと
こういう風な赤い光が見えます。
この状態から、レチノスコープを上下・左右に振りますと、光の帯のようなものが動きます。
このときの光の帯の動きかた(速さ・方向)や明るさの変化などを判断材料にして、度数を測定するわけです。
うまく撮れませんでしたが「この度数でほぼ正解」という段階に限りなく近づいた時の見えかたの一例。
(レチノスコープを左から右に動かした場合)
実際に静的検影法を行なう場合には、眼前にレンズを当てますので、レンズ交換が容易なフォロプターを使用したほうがやりやすいのは事実ですが、フォロプターを使うことができない場合は、仮枠レンズや板付きレンズを使います。
当店では、すべてのお客様にではなく、必要に応じて静的検影法を行なっております。