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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

合成プリズム

たとえば

R: S-0.25 C-1.50 AX140 ADD3.00 2△B.I. 1.5△B.D.
L: S-1.25 C-0.50 AX20  ADD3.00 2△B.I. 1.5△B.U.

という度数で、遠近両用累進レンズの装用テストをするとします。

このとき、ほとんどのお店では、5枚のレンズを使おうとします。
すなわち、球面度数・円柱度数・水平プリズム・垂直プリズム・累進トライアル、です。
(球面と円柱がセットになったテストレンズもありますが、持っているお店は少ないでしょう。)

ixy_20140528_02.jpg

そうすると、5枚のレンズを装着できるテストフレームが必要になります。

1405303.jpg

が、当店にある5枚装着可能なものは、装用感が悪いので使い勝手があまり良くありません。
ですので、4枚のレンズを装着できるテストフレームを使いたいわけです。

1405302.jpg

あいにく、当店には球面と円柱のセットになったレンズはありませんので、1枚減らそうと思ったらプリズムレンズしかありません。
ここで「合成プリズム」という考え方が有効になってきます。

合成プリズムというのは、水平プリズムと垂直プリズムとを合わせてできる、基底が斜め方向のプリズムと考えてください。
そのため、一般的な、ベースイン・アウト・ダウン・アップという水平・垂直4方向の基底ではなく、1°~359°までの角度で表す必要があります。
(合成プリズムですから、理論上は0°90°180°270°にはなりません。)

上記のように、2プリズムのベースインと、1.5プリズムのベースアッププリズム(およびベースダウン)が組み合わさったときのプリズム量と基底方向を求めるには・・・

簡単に計算してくれるウェブサイトがあるので、それを使うか、

作図して求めるか(定規と分度器が必要)、

1405301a.jpg

三角関数を使って計算するか(関数電卓があるとやりやすい)、

1405305.jpg

のどれかです。

結果、
右眼のプリズム量と基底は、2.5△ 約323°
左眼のプリズム量と基底は、 2.5△ 約143°
となります。

レンズメーターにて検証してみましょう。

右レンズを想定して、2.5△を323°に合わせます。

ixy_20140528_08.jpg
1405302a.jpg

この状態で、レンズメーターの設定を、ベースイン・ダウン等の表示に切り替えます。

ixy_20140528_11.jpg

そうすると、

1405304.jpg

2△B.I. 1.5B.D. となります。
OKです。

同様に左もオーケーになります。

テストフレームにこのように組めば完成です。

1405301.jpg

無事4枚のレンズで収まりました。

合成プリズムは、通常の業務では出番の少ない考え方かもしれませんが、知っているとこういうときに便利だったりします。

  1. 2014/05/30(金) 23:21:57|
  2. 視機能・視覚・検査など
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