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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

「聞こえ」の話

当店に掲示してある、補聴器関連のポスターです。

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この文章、どう思われますでしょうか。

13090291.jpg

まず1行目。

要するに「片眼だけしか見えていないと、遠近感がわかりません」といっているのと同義のように受け取れますが、それは正しいのでしょうか?

理論上、片眼だけの情報では確立ができないのは「立体視」であり、「遠近感」ではありません。
いわゆる「非立体視的手がかり」と呼ばれる、さまざまな手がかりでもって、私たちは片眼視の状態であっても、遠近感をつかむことができることがあるのです。

たとえば、片眼失明していてる教諭が学校の体育館のステージから児童・生徒を見渡した時、少なくともだれが最前列にいて、だれが最後列にいるかは、適切な視力があれば「非立体視的手がかり」を利用して判断できます。

ですから「遠近感がわからない」というのは正しくありません。


それから2行目。

補聴器を片耳しかつけず、もう片耳が完全に聞こえない状態では、どの方向から音が聞こえているのかわからない、ということを伝えたいようですが、

同じポスターに書かれているこの図を見る限り、

ixy_20130929_07.jpg

「わからない」のではなく、「わかりにくい」と表記するほうが適切ではないかと感じるのですが。


と、イチャモンをつけるのが今日の本題ではありませんで、こんな記述もあります。

ixy_20130929_05.jpg

このリサーチの是非については、読んでもいないので何とも言えません。


しかし・・・

当店のお客様で、補聴器が壊れているのを気づかずに使い続けていたご高齢のお客様がおられました。
当店にご家族と一緒に修理に持ってこられた時、「ちょっと前に比べて、随分衰えちゃったな」という印象を持ちました。
この「衰えた」というのは、体力というよりも頭のほうとご理解ください。

そして、修理した補聴器をお渡ししてしばらくしてからご家族がお越しになっておっしゃいました。
「最近、かなりしっかりしてきたように感じます」と。
この「しっかり」というのは「頭が」とご理解ください。

この事例から、補聴器が壊れて「聞こえ」が悪い状態で過ごしていたために、脳の衰えが生じていたのではないか。
そして、「聞こえ」が良好になったことで、脳が再活性化を始めたのではないか。
と考えることもできるのではないでしょうか。

無論、この一例だけをもって推測するのはナンセンスですし、補聴器の使用が認知症の予防になるのでは?、と言っているわけでもありませんので、誤解なきようお願いします。


「眼が見えていれば、耳は少々悪くても」とおっしゃるかたも多いですが、正しい刺激を脳に送ってあげることは
とても大切なことではないかと考えます。



  1. 2013/09/29(日) 23:44:33|
  2. 補聴器
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