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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

プリズムの単位

両眼視機能の不具合(斜位・斜視等)への対処法として利用されるプリズムレンズ。

以前にもお話しした通り、プリズムというのは光を屈折させる(進行方向を変える)働きがあります。

レーザーポインターと壁の間にプリズムを置くと、レーザーの当たっている位置がずれます。

070310.jpg
070311.jpg

このプリズムの量(度数)を示す単位ですが、プリズムジオプトリー(Prism Diopter)を使うのが一般的です。
書籍では、こういう記号や(『視能矯正学 改訂第2版』180頁より)、

1207012.jpg

直角二等辺三角形であらわされているものを多く見かけますが、パソコンでうまく出せないので、当ブログや当店HPでは「△」の記号で表しています。


1△(1プリズムジオプトリー)というのは、1メートルの距離で像の距離を1センチずらすパワーを持ちます。

1207011.jpg


なお、屈折度数を表す単位として使われている「ジオプトリー(D)」というのは、「レンズの焦点距離の逆数」になりますので、「プリズムジオプトリー」とはまったく別物になります。

「30△の右外斜視」「5△ B.I.」などと表現・表記するのは正しいですが、「30Dの右外斜視」「5D B.I.」などと表現・表記するのは大きな誤りですので、混乱しないように注意が必要です。


さて、プリズムを表す単位としては、プリズムジオプトリーの他に「度(°)」があります。
「斜視角」を表す時に用いられることが多いようです。

「大型弱視鏡」ですと、

Synoptophore.jpg

目盛はプリズムジオプトリーでなく、度でふられています。


プリズムジオプトリーと度の関係はというと、
1△=4/7度(約0.57°)
1度=約1.74△
となるようです。

プリズムジオプトリーと度とは、同一のものではないということですね。


以前、どこかのレンズメーカーのレンズガイドに「プリズム製作範囲 3度まで」と書いてあったのを見た記憶があります。
これなどは「3△」のことであると理解して、ほぼ間違いはないでしょう。
ちょっと混乱しちゃってるんだろうな、ということです。

たまに、「眼科で斜位が6度あると言われたのですが」といった感じで相談の電話がかかってくることがあります。
このとき私は、額面通り6度(約10.5△)と受け取ってよいのか、6△と受け取るべきなのか、迷います。

電話での問い合わせならまだしも、もし眼鏡処方箋に「3°基底外方」などと書かれていたら・・・
眼科に問い合わせるでしょうね。

3△のつもりで書いたのだけれど記号を小さく書きすぎて「°」に見えるだけかもしれません。
3度でよいのなら、当店のレンズメーターは度で測定できませんので、換算しないといけません。

もっとも、通常、度で表記する場合は「+5°」「-8°」「L/R1°」などと表すようですし、実際の装用テストはプリズムジオプトリー表示されたテストレンズを使うはずですから、処方箋を「度」で書かれることはまずないと思いますけれど。


当たり前ですが、適切な単位を使うことが大切ですね。

  1. 2012/07/01(日) 22:54:36|
  2. 視機能・視覚・検査など
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