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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

P.D.

メガネを作るうえで、必要な数値の一つが「P.D.」です。
Pupillary Distanceの略で、瞳孔間距離と呼ばれるものです。
眼鏡処方箋に記載されているのを目にしたことがあるかたも多いと思います。
P.D.は遠くを見ているとき、近くを見ているとき、など、距離によって変化をします。

この数値なしに、まともなメガネは作れません。
なぜならレンズの光学中心と、このP.D.の位置関係が、快適なメガネを作るうえで極めて重要だからです。


P.D.を測るにはどうしたらよいか。
オートレフラクトメーターで度数を測定する際に同時に測定されたりしますが、

1205012.jpg

測定中に頭が左右に動いてしまえば、数値は狂います。


定規をあてて測ることも可能ですが、

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左右眼別のP.D.(monocular P.D.)を測るのは、なかなか難しいです。


手っ取り早いのは、P.D.メーターを使うことでしょうか。

箱の中をのぞいてもらうと、ライトが点灯していまして、

1205016.jpg

測定者からは、そのライトが角膜に反射しているのが見えますから、それに目盛を合わせて読み取るのです。

1205015.jpg

片眼別の測定も容易にできます。


こうして得られた数値を、実際に装用したフレームにプロットして、最終的に確認するのが一般的でしょうかね。

1205013.jpg

私は白いマーカーを使うことが多いですが、お店によってはシールを使ったり、その他いろいろな方法を編み出されているようです。
このとき、上下方向の位置関係(瞳孔中心がどの高さにくるか)も確認しておくと一度に用が済みます。


さて、冒頭にP.D.とレンズの光学中心との位置関係、と申し上げましたが、P.D.と左右のレンズ光学中心間距離(O.C.D.)は、必ず一致させなくてはならないかというと、決してそんなことはありません。

その人の眼位によっては、P.D.よりもO.C.D.を広く(狭く)したほうが具合が良いこともあり得ます。
ただ、その場合であっても、P.D.に対してどれだけ広く(狭く)するかを考えるわけで、基準となるのはP.D.ですから、これがわからないと話になりません。


ところで、他店購入のメガネの度数を測る際(自店で初めてメガネをお作りいただく際には参考になります)、度数と併せて、O.C.D.も測ります。

レンズメーターにメガネを載せて、右眼の光学中心の位置を確認したら、
(モニターの円の中央に十字が来ます)

IMG_0590zz.jpg

レンズに印をつけます。

IMG_0593zz.jpg

左眼も同じ要領で印をつけて、

IMG_0591zz.jpg

左右の印の距離を測れば、O.C.D.がわかります。

IMG_0592zz.jpg

上の画像だと63ミリがO.C.D.になりますが、この人の遠見P.D.が63ミリで、このメガネを常用しているのであれば、P.D.=O.C.D.で作ったメガネであることがわかります。

厄介なのが、プリズム入りのときです。

たとえば3プリズムを必要とするとき、レンズメーターの十字は円の中央には来ません。

1205011.jpg

ところが、他店購入の場合、何も事前情報がなければプリズムが入っているかどうか判断が付きにくいことがあります。
とりあえず、円の中央に十字が来るように印をつけて、O.C.D.を測ったら、

IMG_0581zz.jpg

87ミリだったとします。

通常は、こんなP.D.の人はいませんので、こんなことが起きた場合は、
・プリズム入り
・加工ミス
のどちらかです。

その人のP.D.を測定すれば、どの程度のプリズム作用が生じているかはわかりますので、それを念頭に置いて以降の検査を進めていきます。

このとき、プリズムに関する知識がないと「このメガネ、レンズの中心と瞳孔の中心とが全然合っていませんよ。こんなメガネを掛けていてたら眼を悪くしますよ」などと安易な発言をしてしまい墓穴を掘ることがあるので要注意です。


と、まぁ、だいぶ端折りましたし、とりとめがなくなってしまいましたが、とりあえずはP.D.って重要なんだなということがなんとなくでもわかっていただければオーケーです。

もう少し突っ込んだ話は、また別の機会にしたいと思います。




  1. 2012/05/01(火) 23:50:31|
  2. 視機能・視覚・検査など
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