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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

商品の新旧比較をするのなら

例によって、身も蓋もないことを書きます。

レンズメーカーが新商品を出したときに、これまでの商品とどう違うのかをPRする「イメージ」画像があるわけですが、これについて。


以下の画像は、すべてメーカーのHPや販促物から転載したものです。
本来ならば出典を明確にすべきですが、今回に関しては秘匿します。


これは、ちょっと古いですが、超高屈折レンズのPR。
これまでのレンズに比べて、こんなに薄くなりましたというもの。

1204032.jpg

どのレンズとの比較なのか、度数はどれくらいかということは明記されています。
捏造しているわけではないですし、問題はないのですが。。。。

左側の屈折率1.50の球面レンズです。
いわば、もっとも厚みがあるレンズです。

右側のレンズは、両面非球面レンズです。
屈折率も、1.50よりは数段階上がっています。

何が言いたいかというと、薄くなったということをアピールする=薄いレンズを求めている人にアピールするのであれば、少なくとも対象となる人は1.50の球面レンズなんて使っていないでしょ、ということ。

比較するのなら、これまでで一番薄かった自社のレンズと比較して、どれだけ薄くなったかを示さないのは不親切じゃないでしょうか。


これは両面非球面レンズのゆがみ(収差)の比較イメージ。

1204033.jpg
比較対象は球面レンズ。
これまで、この手のイメージは外面非球面と球面の比較として使われていました。

それによって、球面レンズから外面非球面レンズへ乗り換えていただいたお客様が多いのなら、今度は外面非球面レンズと両面非球面レンズとの比較をしたほうがよくはないでしょうか。


これは、累進レンズ特有のゆがみ(収差)の比較イメージ。

1204031.jpg

比較対象は2ランク下(当時)のレンズ。
なんで、1ランク下のレンズと比較しないのでしょう。


繰り返しますが、これらの比較画像・イメージは捏造しているわけではないので、誇大広告だと言っているわけではありません。
ただ、比較対象がおかしいというか、正々堂々さが感じられないと思うのです。


「違いを説明するには、差が大きいほうがわかりやすいのだから、やむを得ない」という言い分があることは承知しています。
正当なデータをもとに宣伝をしているのだから、非難される筋合いはないでしょう。
気持ちはわかります。


けれど、この比較というのは、別の業界で言えば、こうなりませんか?

東海道新幹線にN700系が投入されたとき、最高速度は従来の列車と同じでも、車両性能の向上により東京・新大阪間の所要時間が短縮されました。

JR東海はこれをPRするときに、従来の「のぞみ」よりN700系「のぞみ」のほうが5分(くらいでしたっけ?)早くなった、という表現をしたと思います。

昭和39年開業当時の0系「ひかり」と比較して1時間何分早くなった、とか言われても、それはそれで意味のある比較だとは思いますが、今までと比べてどうなの?という疑問を解決することにはなりません。

つまり、「これまでのベストから、どれだけ進歩したのか」を示してこそ、本来のユーザーの求める情報となるのではないかと思うのです。


たとえば、これはレンズの強化コーティングの比較です。
どれくらい、こすり傷に対して強くなったかを比較しています。

1204035.jpg

左端が最新のコーティング、右端が最もスタンダードなコーティング。
そして真ん中が、それまでで一番こすり傷に対して強かったコーティングです。

こういう比較をしてこそ、説得力があるのではないでしょうか。


私が以前から感じていた疑問です。
メーカーさん各位を貶めようという意図はないのですが、結果として批判になってしまってごめんなさい。




  1. 2012/04/03(火) 21:49:36|
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