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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

近くが見えにくかった高校生

詳細なデータは割愛しますが、

17歳の女の子。
7年前より手元の見にくさあり。
長時間勉強していると、頭を締め付けられるような頭痛がする。
現在使用眼鏡は遠視性混合乱視。
ふだんは裸眼で勉強時のみ眼鏡装用。


遠視矯正が不十分である可能性を念頭に数回の雲霧を行ないながら度数測定。
多少遠視度数が増えたものの、依然としてその度数では近くが見にくいとのこと。

近見視表を用いての両眼視機能検査を行なうも、

IMG_9642.jpg

どことなく不安定で信頼度に欠ける感あり。
遠見近見ともに、平均値を上回る外斜位。
輻湊近点はやや遠い。

近見は1.25D加入にて見やすくなる様子。
(両眼調節ラグ値および近見R/Gの値に等しい)


で、ここからどうするか、ということになるわけです。


平均値より大きな外斜位と輻湊近点の数値&眼精疲労で考えると基本的外斜位ないし輻湊不全系ですが、両眼調節ラグの値に、つじつまが合いません。
調節と輻湊の相互関係にかなりの負担がかかり、システムの正常化が阻害されているように見受けられたので、まずはトレーニングをおすすめするも、効果が出るまでの期間を明言することができないため、トレーニングと並行して眼鏡処方を希望されました。

「加入度がなければノートが見えない、加入度数を通してしまうと黒板の文字が見えない」という問題が生じることもあり、当店測定の遠見完全矯正値に1.25D加入した累進レンズが具合よいとのこと。
ただ、足元の違和感が気になるとのことで、遠用単焦点もご注文いただきました。
当然、今後トレーニングしていく過程で度数の変化が起こり得る可能性については、十分ご説明。


トレーニングは
・片眼ずつ、「調節を入れる・緩める」という感覚を体感する
という最も低層のところから始め、
・寄せ運動の強化
・輻湊効率・調節効率の改善
・Voluntary vergenceの効率
といった、ベタな轍を踏むことに。

トレーニングはご注文いただいたメガネの納品と同時に始めていただきましたが、2週間後に「遠用単焦点でも近見ができるようになった。むしろ累進のほうが違和感の観点から具合が悪い」とのご連絡を受けました。

その後も何度となくフォローの検査をしつつ、処方度数も変化させる必要が生じましたが、現在は遠用単焦点で勉強できているとのこと。
大変一生懸命に勉強されるお嬢様のため、近業時間が非常に長く、まだ眼精疲労が完全に消失したわけではありませんで、今後さらに詰めていく必要があります。
とはいえ、トレーニングがそれなりに功を奏した例といえましょう。


  1. 2011/11/14(月) 23:13:02|
  2. 視機能・視覚・検査など
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