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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

もったいないなと思うこと

「洋服はS・M・Lとサイズが違っても同じ値段なのに、何でメガネは薄型レンズを使うと値段が高くなるんだ」という意見があります。
「どんなレンズでもお値段均一」をウリにしているメガネ店へのインタビュー記事にも同じようなことが書いてありました。

当店は、レンズの屈折率が高くなればレンズの価格も上がるという料金体系を取っていますので、自己弁護するわけではないですが、これについてちょっと屁理屈をごねてみます。


下図の三本のフレームは、同じ品番ですが、玉型サイズが違います。

1111053.jpg

この三本のフレームのうち、どれに上図のレンズを組み込んでも、当店ではお値段は一緒です。
「服のサイズS・M・L」というのをメガネに当てはめるのなら、本来はこういうことだと思うのです。

つまり、このたとえで引き合いに出されるべきなのはレンズではなく、フレームサイズではないですか、と。
だって、レンズの屈折率が違うということは、レンズの素材そのものが違ってくるわけで、同じ素材だけれど薄さが違うというわけではないのですから。
服のサイズが変わっても服の素材は同じでしょ。

素材が変われば仕入れ値も変わります。
仕入れ値が高いものに、それに応じた販売価格を設定するのは、少なくとも道義に反してはいないと思うわけです。
(当店は、高屈折になるほど仕入れ値は高くなります。)


逆に、こういう考え方もできるのではないでしょうか?
「牛丼は、並・大盛・特盛で値段が違うのに、何で服はサイズが違っても値段が同じなんだ。サイズが小さいほうが使う生地が少なくて済むんだから、安くすればいいじゃないか」と。

これをメガネに当てはめますと、

通常は下図上側のような丸い生地で送られてくるレンズを、右下・左下のように玉型に合わせてカットするわけですが、

1111052.jpg

玉型が小さければ、使うレンズの部分は少なくて済みますし、厚みも違ってきます。

1111051.jpg

玉型が小さいほうが、レンズの原料を使う量は少なくて済むのに、販売価格は同じです。
個人的には、小さな玉型にレンズを加工するとき、いつも「もったいないなあ」と感じています。

玉型サイズに応じて、必要最小限のレンズサイズ(原材料)でレンズを作れば、理屈の上では無駄は減ります。
現状、凸レンズではそういったオーダーが可能ですが、そういうレンズの作りかたをするのはかえって手間がかかりますので、仕入れ値も高くなるのが普通です。
凹レンズの場合は、屈折率と度数に応じて生地の大きさが決まっているので、仮に直径50mmの生地があれば十分な場合でも65ミリの直径で納品されたりします。

そんな背景もあり、玉型サイズの大小にかかわらず、レンズの価格は同じで販売を続けております。



  1. 2011/11/05(土) 23:08:56|
  2. メガネ・フレーム・レンズなど
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