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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

メガネ新調 (フレーム編)

丸2年使っていた自分の常用メガネを新調することにしました。
レンズの度を変えたくなったのが、一番の理由です。

フレーム編とレンズ編とにわけて掲載することにします。
今日はフレーム編です。


せっかくなので、フレームも変えることにしたのは良いのですが、私は平均的な日本人男性よりも中途半端に顔が大きいため、なかなか具合のよいフレームがありません。
はやりのフレームは、ほとんどが小さすぎるのです。

かといって、当店が所属している大きいメガネ研究会のオリジナルフレームでは、逆に大きすぎるものが多く、私の顔に合うのは数モデルしかありませんし、気に入ったモデルでサングラスを作ってしまっているので、選択肢がないのです。

そんなわけで、当店に足を運んでくださる問屋さんやメーカーさんが持ってくるフレームの中で選ぼうと、いろいろ検討しましたところ、ちょうどよさそうなものが見つかりました。

過去3代、パッと見では縁なしに見えない縁なしフレームにしていたので、今回はガラッと変えてフルリムにしました。

フレームのブランド名は「杉本 圭」

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天地はやや深めの31mm。
テンプル開き幅は初期設定で約150mmなので、装用に問題はありません。
適度にバネが利いていて、ソフトな掛け心地です。
玉型サイズ56mm、鼻幅17mmなので、フレームPDも合格。
色は、当然のように赤というか、ワインレッド。

こんなフレームです。
(鼻パッドは別のものに付け替えています)

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この「杉本 圭」さんは、セルやアセテート素材のフレームを特に得意とされておりまして、そのうちの1点は「アイウェア・オブ・ザ・イヤー2010」のメンズ部門グランプリを受賞されています。


ところで、このようなデザイン性に富んだフレームを紹介しているブログでは、必ずといっていいくらい、個々の「作品」の完成度の高さを、これでもかというくらいにアピールされているものです。

しかしながら、以前にもお話ししました通り、デザイン性を重視すれば、調製・調整がしにくくなるというケースも往々にしてあるのですが、そういう部分には触れられていません。
当たり前といえば当たり前かもしれませんが。。。


たとえば、今回の私が選んだフレームも調製・調整がしやすいかと問われれば、決しYESとは言えません。

まず、リムが頑丈に作られているため、リムカーブを変えることは困難です。
(球面の凸レンズや、低カーブで弱度の非球面レンズでは、うまくフレームにおさめることは難しいです)
また、ブリッジ部分が厚いため、反り角をいじることも極めて困難です。
個人的にはもう少し、輻輳ぎみ(フレーム耳側が顔から離れる方向)に反り角を付けたかったのですが、無理そうでしたので、ヤゲンの位置を調製することでレンズをちょっとだけ輻輳ぎみにするにとどめました。

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さらに、智がこういう形状ですので、

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テンプルの左右の開き幅を150mmから大きく変えることは不可能です。
(もっとも、140mmくらいでちょうどよいくらいの顔の人は、この枠は選ばないでしょうし、バネが利いているので160mmくらいの幅が必要なかたなら、それほど窮屈さは感じないと思います。)

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この智では前傾角を変えるのも不可能ですし、左右の耳の高さが違うかたへのフィッティングもかなり厳しいです。
耳の高さが違う場合は左右で傾斜を変えなければいけないのですが、それができませんし、奥の手としてテンプルを途中で曲げて角度を付けるのも難しいです。
実際、私自身はもう少し前傾角をつけて装用したかったのですが、諦めました。

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つまり、その人の骨格やレンズの度数・種類によっては、正しい調製・調整ができませんので、注意を要するのです。
別の言い方をすれば、どこかで妥協をする必要が出てくる場合があるということ。
誰にでもホイホイとおすすめできるものではないのです。

これは、特にデザイン性の高いフレームに見られることが多い特徴です。


なお、誤解しないでいただきたいのですが、私はこのようなデザイン性の高い枠を真っ向から全否定しているのではありません。
メガネには、「おしゃれ」の要素も大変重要だと思います。

ただ、専門店である以上、「アイウェア」としての見た目だけを取り上げるのではなく、トータル的な見地からフレームを語る必要があるのではないかと思うのです。
一般のお客様は、今回私が突っ込んだような部分はお気づきにならないでしょうから、メリット・デメリットの双方を吟味したうえで、ご提案すべきものではないかと考えます。

「お客さんが、これが欲しいって言ってるんだんから、それでいいじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、それでは通販で枠を買うのと同じようなものでしょう。


私は、上記のようなデメリットを踏まえた上で購入しましたし、その選択に満足しております。
「杉本 圭」さん、変な取り上げ方をしてしまってごめんなさい。
  1. 2010/07/31(土) 23:18:37|
  2. メガネ・フレーム・レンズなど
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