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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

デザイン重視

私がフレームを仕入れるとき、チェックするポイントの一つが「調整・調製のしやすさ」ということ。

要するに、お客様の骨格に合わせて、フレームの形をいじることができるかどうか。
あるいは、お客様の要望する・お客様に適切と思われるレンズを負担なくはめるために、フレームカーブを調整し、それに応じてテンプルの開き幅を変化させられるか。
といったようなことです。

その調整・調製のしやすさを判断する部位の一つが「智(ち)」と呼ばれるところ。
フレーム前面とテンプルを連結する場所のことです。

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上の画像のような智であれば、かなり融通が利くのですが、昨今のトレンドは・・・

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広げたり、狭めたり、角度を変えたりなどの融通が利かないものが多いです。

こういう融通の利かないフレームは仕入れたくないのですが、そうしてしまうと、仕入れられるフレームが本当に限られてきます。
別の言い方をすれば、今の流行にのっとったフレームではないものばかりになってしまいます。

そんなわけで、メリット・デメリットをはかりにかけ、デザイン性その他のメリットが大きければ、ある程度妥協すべきところは妥協して、仕入れをしているのが現状です。

そのかわり、お客様に販売するときは、骨格はもちろん、フレームカーブとレンズカーブの相性なども考慮しないといけないので、「お客様を選んで販売する」ということが重要になってきます。

単純にお客様が気に入られたから、似合うから、といったことだけでもって販売してしまうと、後で自分が苦労することになるし、最終的にはお客様にご迷惑がかかることがあるわけです。


そういったことを踏まえて考えると、現在のフレームは、調整・調製のしやすさよりも、デザイン性に非常に大きなウエィトが占められていることは否定できないでしょう。


フレームの展示会で、デザイナーさんやメーカーの担当者さんの話をお伺いすると、「いかに、この色を出すのが難しかったか」「この成型をすることが、どれだけ大変だったか」「このデザインには、こんなこだわりがある」といったことに関しては、ものすごく熱く語ってくださいます。

しかし、「調整・調製」に関する話題を振ると、とたんにトーンダウンしたり、嫌な顔をされたりしてしまいます。
「おたくとは、頼まれても取引をしたくない」と言われたこともありました。


私自身、デザイン性の高いものを追求される姿勢を否定するつもりは毛頭ありません。
しかし、単にデザイン性のみを追求していけば、「調整・調製」は犠牲になっていってしまうでしょう。
デザイン性が高く、調整・調製もしやすい、そういうある意味、相反する要素を備えたフレームに数多く出合えることを期待しています。
  1. 2010/04/17(土) 23:14:34|
  2. メガネ・フレーム・レンズなど
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