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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

視力は問題ないけれど

当店に「深視力検査に合格できない」ということで足を運ばれるお客様は、裸眼もしくは矯正視力で1.0程度あるかたが多いです。
つまり「視力には問題ないのですが、深視力がダメなんですよ」とおっしゃるパターンです。

で、その中でも最近多いのが、斜頸(しゃけい)されてるかた。

斜頸というのは、こういうふうに頭をどちらかの方向に傾けた状態で日常生活をされている状態です。

IMG_2878.jpg

たいていの場合、上斜視ないし下斜視がある場合に生じます。
通常、上斜視眼と反対方向(下斜視眼と同方向)に首が傾きます。
つまり、右上斜視(左下斜視)なら頭が左に傾きますし、左上斜視(右下斜視)なら頭は右に傾きます。

斜視があると両眼複視が生じる可能性があるのですが、斜頸によって眼球を動かす筋肉(外眼筋)の動作をコントロールすることで複視を解消しようするわけです。
(そのメカニズムは、説明が大変なので、ここでは触れません)

複視を解消しようとするということは、つまり両眼視があるわけですから、うまくいけば深視力(立体視)の向上が見込めるわけです。
基本的にはプリズム処方、必要に応じて、寄せ運動(輻輳・開散)のトレーニングを付加する形となります。

ただ、これには個人差がありまして、今まですべての人を解決させてきたかというと、そんなことはありません。
中には、「申し訳ありません、私では力不足です」となることもあります。
斜視の手術を検討していただいたこともあります(もちろん、それで深視力が向上する保証はありません)。

また、純粋な上下斜視のみというよりも、水平方向の斜視を伴っているケースが多く、上下プリズム+水平プリズム+トレーニングをやってみて、それで何とかなるかな?、といったパターンになることもあります。
トレーニングは一朝一夕で効果は出ませんから、要するに、時間をかけてやってみなけりゃわからないものに投資をしていただかないといけないため、こちらとしてもなかなか背中を押してあげづらい心境になります。

それから私が特に気にするのが、これから新規に大型なり二種の免許を取ろうというかたの場合です。
メガネをつくっていただくことで今回は合格できても、今後更新のたびに苦労される可能性もあるわけです。
免許が更新できなければ仕事ができない、というのなら非常に困ったことになるかもしれません。
そういうかたに対して、免許の取得自体をおすすめしてよいものなのか、と考えてしまうのです。
最終的にはお客様自身がご判断されることではあるのですけれど。


そんなわけで、深視力に苦労されていて、写真撮影のときに「はい、頭をまっすぐにしてください」と必ず言われてしまうようなかたは、「ダメもと」でご相談いただければ幸いです。
精一杯、対応させていただきます。

※過去に斜視に関して医師の診断を受けておられると、こちらも安心です。
※斜頸させることで眼位ずれの量が多くなり、両眼視できなくさせる(抑制を起こさせる)ほうが楽な場合は、上斜視眼と同方向に頭が傾きます。
※斜頸がなくても、深視力検査に合格できないかたは多くおられます。いろいろな原因が考えられますので、ご相談ください。
  1. 2010/02/17(水) 23:19:42|
  2. 視機能・視覚・検査など
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