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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

何度も変形させてしまうと

たとえば、こんな風に曲がってしまった枠を
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このように戻したり
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こんな風に曲がってしまったクリングスを
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このように戻したり
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といったことは、我々の業務としては日常茶飯事です。

ごく単純に考えれば、曲がった状態から元の状態に戻すということは、曲がった場所へ曲がった時に加わった力と同じ力を加えて戻すということになります。
(実際は、必ずしもそうはならないでしょうが)

何度も同じようなところを曲げては戻す、といったことを繰り返していると、金属も弱ってきますので、そのうち折れてしまいます。
運が悪ければ、一回戻しただけで折れることもありますけれど。。。
いわゆる、金属疲労というものですね。

ですから、派手に曲がったフレームを、何とか元の状態に近いレベルに戻してお返しするときには、「次回同じよう曲がりかたをすると、折れてしまうかもしれませんよ」「金属が弱っているかもしれませんから、気をつけて使ってくださいね」などといったことをお伝えします。


以前、頻繁に、派手にフレームを曲げては修繕に持って来られる子供さんがいました。

何度も直しているので、毎回「折れちゃうかもしれないから気をつけて使ってね」なんてことを伝えてはいたのですが、いつも子供さんが一人で来るので保護者のかたに伝えることができません。
電話の一本でもしておけばよかったのですが、それを怠ったために、ツケが回ってきました。

ある時、その子供さんがお父様を連れて来店されました。
お父様いわく、
「ジャングルジムの上からメガネが落ちたら、折れてしまった」
「昔のメガネは木の上から落ちたくらいでは壊れることはなかった」
等々、折れてしまったことに対するお怒りの言葉を数々頂戴しました。

同一フレームはすでに店頭になく、部品の手配は出来るものの翌々日の入荷になってしまいます。
あいにく当店では接合修理ができないので、修理工場へ送ると日数がかかります。
その場で掛けられる状態にすることができません。
新しいメガネをつくろうにも、当店には即お渡しできる在庫のレンズがありません。

「メガネがないと困るのに、そんなことでどうするんだ」
と、また火に油を注いでしまったかのように怒られました。

とりあえず、部品を手配することになってお帰りいただきましたが、翌々日に入荷の連絡を差し上げると「メガネがないと困るので、よその店で作った」とのこと。
壊れたメガネは、もういらないよということです。

壊れてしまったことはやむを得ないとはいえ、当店で即日修理ができればよかったわけですから、当店にも責任はあります。
ですが、正直、あまりいい気持ちはしませんでした。


お父様との一連のやり取りの際、私は「過去に同じところを何度も曲げては戻しています。壊れる可能性があることはお子様にはお伝えしています」といった類のことは言いませんでした。

多分、子供さんはお父様には「ジャングルジムから落としたら壊れた」と言っただけで、それ以上のことは何も伝えていないのだと思います。
そこで余計なことをこちらが言っても、子供さんの立場がなくなるでしょうし、「人のせいにするのか」とさらにヒートアップされるであろうことが目に見えておりましたので。


メガネのフレームは、たとえ初期不良がなくても、何度か修繕しているうちに壊れやすくなる可能性があることを、この場を借りて改めてお伝えしたいと思います。
  1. 2009/11/21(土) 23:26:36|
  2. メガネ・フレーム・レンズなど
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