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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

色覚異常の人たちに優しい工夫を

石原式色覚検査表ってご存知ですか?
こんなのです。

isihara.jpg

私は、これに必ず引っかかります。
旧用語でいう「第2色弱」、新用語で言うと「2型3色覚」です。
緑系の色に対する感受性が弱いタイプになります。

私がどういうふうに色を感じているかを感じてもらうには、パネルD-15が有効でしょう。
一番左の色がスタートで、そこから右に向かって、似た色を並べていきます。
これは、正常な人の例です。
d15pass.jpg

で、私はどうかというと、毎回同じ結果にはなりませんが、ほぼこんな感じになります。
2型色覚異常の典型パターンです。
d15duo.jpg

正常な人から見れば、到底理解できないのでしょうが、私に言わせれば正常な人の並べ方は、「何となく気持ちはわかるけど、それはちょっと違うんでないかい」といったふうに感じます。


さて、こういう色の感じかたをしている私ですが、緑がまったくわからないわけではありません。
色鉛筆の赤と緑の区別はできますし、トマトとパセリの色の違いも分かります。
日常生活において、ほとんど苦労はありません。

仕事上、フレームやレンズの色を選別しなければならないようなときは、自分の苦手な色はわかっているので、必要に応じて妻や両親に助けてもらっています。

ちなみに、私がアメリカで「ドクター・オブ・オプトメトリー」の取得を考えなかったのは、日本で働くことが決まっていたというのが一番の理由ですが、眼底のチェックをする際に、見落とし・誤診の可能性が危惧されたからというのも、理由の一つです。
あ、眼底っていうのは、こういうもののことね。(『現代の眼科学』より)
gantei.jpg


さきほど、「ほとんど苦労しない」と書きましたが、困るというか悩むことが少なからずあります。

たとえば、赤(オレンジ)と緑(黄緑)の2種類のライトで、何かを区別しなければならないようなときです。

これは電波時計の受信状況を知らせるライトです。
赤のライトは電波を受信していないとき、
aka.jpg

緑のライトは電波受信中に点灯します。
midori.jpg

私には、明るさが微妙に違って感じるだけで、色の違いはよくわかりません。

ただし、この時計の場合は、ライトの点灯する穴の中に、左右二つのライトが設置されているので、色の違いはわからなくても、左側のライトが付いているか右側のライトが付いているかで判断ができます。

より困るのはこんなケースです。
DVDとビデオの切り替え状態を知らせるランプです。
green.jpg
orange2.jpg


ひとつのライトで色が変わるので、色の区別ができないとアウトです。
まぁ、実際にテレビをつけてみれば、DVDとビデオ、どちらが流れているかはわかるのですが。

同じように、オフィスの電話機によくある、何回線かを使えるタイプも困りものです。
通話中の回線はオレンジのランプ、保留中の回線が緑のランプになってたりします。
私には、見分けがつきません。

こういった機械類のライトには、発光ダイオードかなんかが使われているのだと思います。
使用できるライトの色がある程度決まっているのでしょうが、せっかく青色の発光ダイオードがあるのだから、赤と緑じゃなくて、「赤と青」とか「緑と青」の区別にするようにしてくれれば、私のようなタイプには、非常に分かりやすくなると思います。

各メーカーの開発担当者さんには、ぜひご一考をお願いしたいです。


ちなみに、色の変化とか、この色とこの色は違う色、といった判断をするだけでよいのなら、私の場合は赤いレンズを通して対象物をみれば、かなり精度がよくなります。
akalens.jpg

それから、色覚補正レンズというのがあって、メガネフレームに組み込むことが可能です。
私もサンプルを見たことがありますが、確かに色の見分けやすさや鮮やかさは違います。
ただし、これは色覚を正常にするものではないと理解しています。
お値段もかなり高いので、費用対効果を考えると、私個人としては魅力をあまり感じません。
当店で取り扱うことも可能なのですが、私が魅力を感じないものをお客様におすすめするのもどうかと思うので、いまだ導入はしておりません。


あ、そうそう、パワーポイントでプレゼンをしたり、ワードやエクセルで資料を作る際、円グラフや折れ線グラフの色、微妙に似た色同士を使うかたがおられます。
特に赤とか緑系等で。

あれ、気をつけたほうがいいですよ。
私は、たまに区別できないときがあります。
もし、上司や取引先のお偉いさんを相手にしたプレゼンや資料だったら、そしてその人が色覚異常者だったら、場合によってはあまりいい印象をもたれないかもしれませんよね。

かなりの種類の分類をするのであれば、色わけオンリーではなくて、網掛けとか点線をうまく使うことも大切だと思います。


色覚「異常」って聞くと、とんでもない障害のように感じる人もいるでしょう。
が、学術用語としてそうなっているだけなので、変な誤解や偏見を持たれてしまうのは不本意です。
近視や乱視や遠視が学術的には屈折「異常」と呼ばれているのと同じようなものだと、私はとらえています。


自分の体の欠点を、ブログを通じて世界に吹聴するのもどうかと思わなくもないですが、色覚異常者が、こんなことで困ることがあるということを理解してもらうきっかけになれば幸いです。
  1. 2009/03/11(水) 23:58:56|
  2. 視機能・視覚・検査など
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