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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

眼科受診をお願いするケース

今のメガネが(もしくは裸眼で)見えにくくなってきたので、ということで、当店での度数測定の上でメガネの作製をご希望されるというのは、普通にみられるパターンです。

しかし、測定した結果、どちらかの、もしくは両方の眼の矯正視力の向上が芳しくないということがあります。

以前にも当店でお調べしている場合は、前回の矯正視力と今回の矯正視力とを比較することが容易です。
前回1.2の矯正視力が出ていたのに、今回は0.6までしか上がらない、というような場合、見えにくい原因は単純な度数の変化とは考えにくく、根本に眼疾患があることを想定するのが普通です。

したがいまして、メガネを作る前に眼科受診をお勧めすることになります。

当店での測定が初めての場合は、前回との比較ができません。
矯正視力が、たとえば0.8にしかならない場合、元々0.8がそのかたの最高視力なのか否かは、わかりません。
しかしながら、前に比べて見えにくいということで来られていて、測定した結果、前と比べてたいして変化がないのであれば、それはやはりおかしいでしょう。

ですから、やはり眼科受診をお勧めすることになります。

「見えにくい」という主訴で来られた場合、度数を変えても主訴の解決にならないわけですから、メガネを変える意味もないですので、眼科受診を受けいれていただきやすいです。


一方、「フレームに飽きてしまった」「レンズが傷んできた」「なくしてしまった」といった主訴でメガネを新調するにあたって度数測定をした結果が芳しくなかったという場合は、少々勝手が異なります。

基本的には、まず眼科受診をお勧めしますが、「見えかたには不自由していないから」「ないと困るから、早く欲しい」等々言われてしまうこともあります。
そうしたときに「眼科受診をしていただかないと、おつくりできません」と言うのも一つのスタイルだと思います。

ですが、私の場合は「このままおつくりしますけど、眼科さんには行ってくださいね」とお伝えすることが多いです。
(無論、ケースバイケースで、眼科受診を最優先させることはありますよ。)
商人としてお客様のご要望に添いつつ、最低限の職業倫理を満たそうとすると、そういった形にさぜるを得ないようには感じます。
ご注文を受けたあと、「家族に、眼科に行ったほうがいいと言われたから、キャンセルしたい」と言われることもあったりしますが、それで被る損失は、やむを得ないものだと割り切るしかありません。

先日、眼科受診をお勧めしたお客様は、診断の結果、眼底出血でした。
診断の結果、「疾患はあるけれど、メガネは作って構わない」ということであれば、こちらも安心です。
受診をお勧めした場合は、足を運んでいただけると幸甚です。




  1. 2019/05/14(火) 23:44:20|
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-0.50Dの差

「―5.00Dと-5.50Dとの差はどのくらいあるのか?」というお問い合わせをいただきました。

レンズの発注単位でいうと2段階の差になりますが、「それは、かなり大きい差なのか?」と。

「-5.00Dと-10.00Dとの差」とで比較すれば、大した差ではないということになりますし、2段階の度数の違いでご自身の見えかたが自覚的に「かなり違う」と感じられるのであれば、かなりの差があるということになるでしょう。

何を以て「かなり」なのか「かなりとは言えない」とするのかがわからない以上、何とも答えにくいです。


一般論というか経験則というかで言えば、矯正視力1.0が得られている度数から2段階落せば、矯正視力は0.8近辺になることが多いと思います。

だからといって、度数が2段階違えば、視力も2段階変わるのかというと、必ずしもそういうことにはなりません。
つまり、現在の度数で矯正視力が0.1だとして、そこから2段階度数を上げたら、矯正視力が常に0.3になるかというと、そうではないということです。

もし、その理屈が成り立つのなら、0.1から1.0まで矯正視力を上げるためには、度数を9段階上げれば済むということになります。
実際は、そういう単純な話にはなりませんので。

お問い合わせされたことの裏に含まれているのが、たとえば、

「現在、-5.00Dのコンタクトレンズを使っていて見にくい。これを-5.50にしたらどれくらい見やすくなるのか。」

といったことであるのなら、これは実際に調べてみないことにはお答えのしようがありません。

自己判断で通販で購入しようとされていたりするのなら、こういった質問をされたくなることはわかります。

しかし、「見にくい」というのは、常に「度数が弱すぎる」とも限りません。
「度数が強すぎる」場合でも見にくくなります。

実際、見えにくいから、と、自己判断で度数を強くしていって、逆に見にくくなてしまったという人もおられましたから。


ご質問者様にご満足いただける回答はできませんでしたが、短絡的に回答できない事情もご理解いただけたら幸いです。




  1. 2019/04/30(火) 23:45:45|
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ターレット式検眼器

当店で使用している「ターレット式検眼器」、一般には「フォロプター」とか「ビジョンテスター」などと呼ばれることが多いです。

phoropter.jpg

屈折度数や視機能検査の時に使うものですが、これは手動式で、最近は電動式のものが主流のようです。
眼鏡店では使用しているところが多いと思います。

一方、眼科では、テストフレームとテストレンズを使用するところがほとんどだと思います。

ターレット式検眼器の場合は、「器械近視」、つまり近視(マイナス度数)が強めに測定されてしまう、という現象が起こりやすいと言われていますので、その辺の事情も加味されているのかもしれません。
ですので、ターレット式の場合は、最後に必ず、仮枠とテストレンズとで、確認をすることが大切だと思います。

だったら、最初から仮枠とテストレンズで測定すりゃあいいじゃねぇか、という話になりますね。

ただ、ターレット式のメリットもあります。
最大のメリットは、レンズを入れ替える時間が大幅に短縮される=測定時間の短縮効果が大きい、ということです。
レンズを変化させながら行なうレチノスコピーをやるのにも便利ですし、融像幅の測定しやすさにも軍配が上がると思います。
電動式であれば「何やらすごい器械で測ってもらった」という安心感とか信頼感というのも、持ってもらいやすいのかもしれません。

デメリットとしては、さきの器械近視発生リスクの他に、小さな子供さんや車いすの人など、セッティングがうまくできない場合があることや、検査中のお客様の様子・表情が観察しにくいという点が挙げられます。
私は、横須賀米軍基地での臨床研修中、どうも反応がないなと思っていたら、寝られてしまっていたということがありました。

度数測定中は眼とレンズまでの距離を極力近づけたいわけですが、睫毛が覗き穴のレンズに触れていても検査中はわかりにくいというのもあります。
瞬目のたびにレンズが汚れていても気が付かないということが起こり得ます。

視力の出にくいとの場合、一段階ずつの度数の変化はわかりにくいので、二段階とか四段階といった大きな変化で比較をさせたいのですが、これはターレット式の苦手なところです。
(最近の機種では、簡単にレンズの変化単位を切り替えできるようですが)

なので、それぞれ一長一短はあるわけです。

当店では、妻は仮枠とテストレンズで測定をします。
私は場面に応じて使い分けますが、強度近視のかたや、ご年配のかた(どちらも、当店でで多いお客様です)の屈折度数測定の場合は、仮枠とテストレンズを使います。
眼鏡学校でもアメリカでも、ターレット式ばかり使っていたので、仮枠で検査するのは慣れるのに時間がかかりました。

電動式に慣れている人の場合、万一故障が起きて使えなくなったら、仮枠でやるしかなくなりますので、万一に備えて、仮枠での測定は練習をしておいたほうが良いと思います。
特にクロスシリンダーテストは、慣れないと手が震えますので。







  1. 2019/03/13(水) 23:50:17|
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白内障があるとメガネを作ってはいけないのか?

お電話でのお問い合わせでした。

要約すると下記のとおりです。

・以前から当店を利用しているが、数年前、当店で「白内障があるからメガネは作れない」と言われた
・当店で断られたため、やむを得ず、他店で作ってもらった
・他店で作ってもらったメガネが見えにくくなってきたのだが、やはり当店では白内障があれば作らないのか

まず、「当店で白内障があるからメガネは作れないと言われた」ということに関してですが、お客様は「間違いなくそう言われた。男の人に。ザマさん、でしたっけ」とのこと。

当店には「ザマさん」はいませんが、男だとおっしゃるからには、私のことでしょう。
それはいいとして、私は「(あなたは)白内障がある」とは言いません、というか、言えません、絶対に。

なぜなら、「白内障」だと断定できるような検査は、しないからです。

仮に、私に白内障だと断定できるだけの技量があり、かつ必要な検査をしたとしても、「あなたは白内障です」とは言えません。
これは「診断」になりますので、医師の領域です。


たとえば、当店で検査をした結果、十分な矯正視力が得られず、レチノスコピーでの反射光が一般的な見えかたではなかったり、オートレフの信頼度が低かったりしたときは、眼科受診をお願いします。

「私は医師ではありませんから、具体的なことは何も言えませんが、たとえば白内障とか、黄斑変性とか、いろいろな眼の病気、聞かれたことがあると思うのですが、そういった眼の病気があるとメガネを掛けても十分な視力が出ないことがありますから、まず眼科に行かれて、調べてもらったらいかがですか」
ということは伝えます。

もしかしたら、それを以て、「白内障だと言われた」とおっしゃっているのかもしれません。
確かに「白内障」という言葉は使っていますが、「白内障だと断定した」ことにはならないと私は考えています。

これも、今となっては、言った・言わない、の水掛け論になりますから、話を先へ進めますと、仮に「白内障と思しき」様子が見てとれたとして、「あなたのメガネは作らない」と言うかいうと、少なくともそういう言いかたは、これまで、した記憶がありません。

「今、お調べしましたけれど、お使いのメガネを掛けての(もしくは裸眼での)視力と比べて、ほとんど違いが出せません。これでは新しくされても、効果がありませんから、お作りされても、もったいないのではと思いますよ。もちろん、レンズが傷だらけだからとか、フレームに飽きてしまったとか、見えかた以外のところに価値を感じていただけるのなら、お作りはいたします。でも本当は、さきに眼科さんに行ってほしいんですけどね。」
そういったことを言うはずなんです。

もし、当店でお調べしたわけではなく、「白内障があると言われているのだけれど、メガネは作ってもらえますか」というようなお尋ねをされたのだったとしても、前述のように「作ることにメリットを感じていただけるなら、おつくりします」というはずなんです。

でも、お電話主のかたは「いや、そういう細かい説明は受けていない。ただ白内障だから作らない、としか言われていない。歳は取っているが記憶は定かだ」とおっしゃる。

唯一の可能性として考えらられるのが「白内障の手術をしないと見えるようにならないと言われている。でも手術はしたくないので、メガネを作ってもらえますか」というお尋ねだった場合でしょうか。
それに対して「手術をしないと、と言われている時点で、眼鏡の効果はないのかと思いますけれども。」ということで終わってしまったのかな、ということです。
「少しでもマシになるか、調べるだけ調べてみましょうか」という流れにならなかったケースです。


いずれにせよ、幾ら私が「そのようなことは言っていない」と申し上げたところで、結果として、そのように受け取られてしまっているわけですから、これは私の言いかたに誤解を招いてしまうようなところがあったのでしょう。
そこは反省すべき点だと思います。

ともかく、このかたは、そのように言われた(らしい)ことに憤慨はされておられるでしょうが、それを責めるというよりも、「以前はそうでも、今なら作ってもらえるのか」ということをお知りになりたいわけですから、それに対しての返答が必要です。

「もし、そのように受け取られる発言があったのでしたら大変申し訳なかったのですが、改めてご来店いただければ、見え具合がどうかはお調べいたします。その結果、もしかしたら、大きな改善はないかもしれませんが、それでも構わないとご納得いただけるのであれば、もちろんおつくりいたします。」
そのようなことをお伝えし、ご来店いただけることになりました。
(眼科は受診済みです。)


結論的には、白内障に限らず、何らかの眼疾患がある(もしくは、あると思われる)からといって、無条件に作製を拒否することはしません。
当方としては、良好な矯正視力が得られないのであれば、まず眼科受診をお勧めします。
受診済みであったり、受信を拒否される場合、見えかたの向上を目的とした眼鏡作製はあまり意味があるとは思えないことをお伝えしますが、ご本人が、見えかた以外の要素に価値を見出していただけるのであれば、おつくりします。
レンズを新しくした、というだけで、何となく見えるようになった気がする、ということもありますし。

要は、当方とお客様との合意確認が得られればおつくりします、ということになりますでしょうか。

そういったスタンスでおります。


  1. 2019/03/09(土) 23:50:53|
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近視過矯正に慣れている場合の度数決定

以前にネタにした気がするのですが、確認するのが億劫なので、ダブっていたらごめんなさい。

「現在使っているメガネの見えかたに不自由はないが、メガネを新しくしたい」という主訴のかたは普通におられます。
こういう場合、現在のメガネと同じ度数にするか、一応度数測定するかは、ご本人の判断にお任せします。

ここでは、当店の利用が初めてで、来店動機は家から近いから、というかたが、度数測定を希望された、と想定します。
年齢は22歳くらいにしておきましょう。

現在使用眼鏡(1年前に他店で調製)
右 S-3.50
左 S-3.50
光学中心間距離65mm

当店測定完全矯正値
右 S-2.75
左 S-2.75
瞳孔間距離65mm
遠見融像除去斜位 3△外斜位
近見融像除去斜位 6△外斜位


当店の測定値が正しいとしますと、現在使っているメガネは3段階の近視過矯正になっているようです。

無論、他店での完全矯正値がどうだったかはわからないのですが、仮に当店測定値と同じだとすると、外斜位も大きくはありませんし、あえて3段階も過矯正にする、いわゆる「マイナスレンズ処方」を選択する合理的な理由がなさそうです。

そうすると、この1年で近視度数が減ったか、その時の測定が誤っていたか、もしくはその両方か、といったところかと思われます。

問題は、この人の新しいメガネの度数をどうするか、ということです。

現在のメガネに不自由がなく、1年間使っている、若い人です。

近視の過矯正は避けたいですから、当店の完全矯正値で作ったとすると、「何か遠くが見にくい」「前のメガネのほうが遠くが見やすい」といった反応が返ってくる可能性があります。
強い度数の見えかた慣れてしまっていたり、過矯正眼鏡を装用し続けていたことによる一時的な調節緊張になってしまい、完全矯正値であっても物足りなく感じてしまうことは珍しくありません。

たとえば、使っているメガネで眼が疲れるとか、当店のホームページを見て詳しく測定してくれそうだからと期待して来店した、といった背景があれば、私の説明も頭に入りやすいでしょうし、新しい見えかたに慣らしてみようというモチベーションもあるかと思います。

しかし、今のメガネに不自由がなく、度数とか視機能に頓着がなかったりすると、単純に遠くの見えにくさが強調されてしまい「ダメじゃん、このメガネ」ということになってしまいかねません。

無難なのは、同じ度数で、つまり三段階過矯正でおつくりすることかもしれませんが、それはプロとしてどうなのよ、という葛藤が生じます。

そのあたり、諸々考えて、最終的に

右 S-3.00
左 S-3.00

と、一段階だけ過矯正状態で作ってみる、ということはあり得ます。
場合によっては二段階過矯正にするということもあるかもしれませんが。
いずれにしても、その経緯を十二分にご説明・ご理解いただけるよう努めることは言うまでもありません。

その後1~2か月経ったら、近視を減らして、最終的に完全矯正値に持っていく、ということができれば理想です。
(この場合の費用をどうするのかという話は、ここでは割愛します。)

視機能的に理由のない過矯正眼鏡を納品するというのは、褒められたことではないですが、ときとしてやむを得ないこともあるという話です。


なお、このような背景で過矯正にしたとして、このかたがしばらくしてから別の眼鏡店なり眼科なりで度数を測定した結果、過矯正であることが判明し、「このメガネ強すぎますよ。だめですよ、こんなの掛けてちゃ」などと言われ、過矯正にした背景を覚えちゃいない場合、「なんだよ、あの店は」と思われてしまうリスクもあります。

不自由のない過矯正眼鏡から、度数を完全矯正値に近づけようという場合、このようにいろいろな問題点が生じてしまうのであります。
悩ましい案件の一つです。



  1. 2019/03/05(火) 23:50:41|
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見る方向でズレの量が変わる

以前のネタと被っていると思いますが、気にしないことにします。

複視(両眼複視)でお困りのかたがご来店されることが普通にあるわけですが、この時に問題になってくることの一つが、「視方向によって、複視の程度が変わるか否か」です。

つまり、正面を見ているときは上下の複視があり、上方を見る(両眼を上に向ける)と複視がひどくなり、下方を見る(両眼を下に向ける)と複視がなくなる、といったようなケースです。

複視の状態から両眼視をさせるためにはプリズムが必要になりますが、このようなケースをプリズムで対処するのはなかなか難しいです。
たとえば、上記のケースであれば、正面視での複視を解消させるプリズムを装用した場合、上方視ではプリズム量が足りないため複視が残り、下方視では不要なプリズムによる複視が起こるということになります。
(左右の度数差がある場合、度数差の組み合わせによっては、ある程度うまくいく可能性もありますが、稀かと思います。)

すなわち、「どの視方向でも両眼視が可能なようにプリズム量を変化させたレンズ」というものが存在しないということです。

近見時に外斜視になって複視が生じるような場合は、近見時のプリズム量を変えることのできる累進レンズというのが開発されてはいますが、それとて万能ではありません。

したがって、目的距離・角度に応じてメガネを掛け替えるとか、レンズの一部にフレネルプリズムを貼り付けて足りないプリズムを補うとか、フランクリン型のレンズ(詳細は割愛)にするとか、何らの策を弄する必要が出てきます。

が、複視が全くない、正常な状態と比べれば、やはり快適とは言い難いと思います。
こちらとしても不本意なのですけれども、どこかで妥協していただく必要があることをご理解ください。

なお、最終的には、片眼を遮蔽することで複視は解消できます。
当たり前ですが、それはそれで、不都合もあるわけで。。。



  1. 2019/02/04(月) 23:50:01|
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定説

以前、当店のホームページに記載されている内容について質問メールを受けたことがありました。

視機能について定説と思われる事柄についての疑問だったのですが、定説がおかしいと思っている質問者と、定説に基づいて説明しようとする私とでは話がかみ合わず、平行線のまま議論は終わりました。

最後に
「あなたは確かに勉強はしてきたかもしれないけれど、教わったことを疑いもなく受け入れるだけで、それ以上深く考察をしようとはなさらない」
といった主旨のコメントをいただきました。

まぁ、それはその通りで、だから私は定説に基づいた説明しかできないのです。

人間の体は、だれでもどんな時でも理論通りの動き・機能をするわけではないとは思います。
「きわめて珍しいケース」というのがあるのは承知しています。
また、今まで正しいと思われていた理論が誤っていたということもあるでしょう。

ただ、だからといって、自身で検証することもなく、一般的な理論とは異なる理論を唱えることは、私にはできないです。

メールや電話で質問や相談をいただいたとき、それが定説に基づいて考えると解決困難な場合は
「一般には○○と考えられています。絶対ということは言えませんので、やってみないとわかりませんが、道は険しいと思いますし、過度な期待をされても困ります。」
という回答をします。

ものすごく頼りないというか、がっかりされるというか、「できる、と言えないのですか」と問われても「言えません」としか答えられないので、申し訳ないとは思うのですが。
やってみなければわからないことを「できる」と言っておいて、「やっぱりできなかった」というのは、避けたいのです。

ダメで元々、とにかく試してみたいということであれば、できるだけのことはいたします。
ただ、よい結果が出なくても、それはごめんなさい、ということでご了承ください。


  1. 2019/02/01(金) 23:50:15|
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カンファレンス

日本オプトメトリック協会のオープンカンファレンスに出席しました。

眼鏡店に勤務するかたがたが、自店での事例を持ち寄り、こんなときはどうすればよかったのか、こんな対応でうまくいった、といった報告・意見交換をする場です。

私は、「近見に不具合のある高校生に、メガネと調節トレーニングの組み合わせで対処をした」、という事例をお話しさせてもらいました。

ixy_20190116_016.jpg

一見すると「めでたしめでたし」で終わりそうな内容ですが、データとしては不十分な点もあり、突っ込みどころも多々あったものの、時間的都合により、窮地に追い込まれる前に閉会となりました。

眼鏡店での視機能トレーニングというのは、店舗によって取り組みに対する温度差があり、なかなか難しい面もあると思いますが、主訴の解決のための「引き出し」を多く持つことは重要かと思います。


幸い、腰の状態は心配していたほど悪くなくて助かりました。

いつもパワーポイントでの発表は、リモコンでスライドを操作して、私自身はパソコンから離れたところで立って(動きながら)話をするのですが、今日はプロジェクターとの接続がうまくできなくてリモコンが使えなくなってしまったため、テーブルの上に置いたパソコンの前に正座して発表となりました。
椅子に座っているのがしんどかったものですから。

トレーニングの具体的なやり方について、もう少しじっくりお話しできればよかったですが、ちょっとわかりにくかったと思います。
ごめんなさい。


帰りの小田急ロマンスカー。
目の前に何かいるなと思ったら、

ixy_20190116_019.jpg

クモが糸にぶら下がっていました。

ixy_20190116_020.jpg

上がったり下がったり、忙しそうでした。







  1. 2019/01/16(水) 23:52:58|
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合っていない?

今使っているフレームに飽きてきたので、新しくメガネを作りたい。
今のメガネは見えにくくなってきているので、せっかくだから度数も測ってほしい。

といった主訴で検査をしたとします。

現在使用眼鏡が

右 S-2.00
左 S-2.00

そのメガネでの矯正視力が

右 0.15
左 0.6

だったとします。


5mでの完全矯正度数は下記の通りでした。

S-3.50 C-1.00 AX180
S-2 75

矯正視力は左右とも1.2になりました。


眼位については今回は考えないものとして、どういう度数で調製すればいいのでしょうか?
私見としては、答えは一つではないと思います。
確実に言えることは、装用テストが非常に大事ということです。


試しに完全矯正値を掛けてもらうと、「よく見えるけれど、足元が怖い気がする」と言われたので、アレンジをすることにします。

パターン①
短絡的に右眼の乱視を抜いて、その分近視を増やして(球面調整と言います)バランスを取りました。
念のため、近視を左右とも一段弱くしてみました。

右 S-3.75
左 S-2.50

両眼開放下での矯正視力は1.0でした。
しばらく装用テストをした結果、これなら掛けられるということで、この度数で調製・納品しました。

2日後電話がかかってきました。
「掛けていると頭が痛くなる。度が合っていないのではないか?」
とのお申し出です。


パターン②

度数を変える際は、前のメガネの度数との変化を±050(二段階)以内にしておくのが無難、多くても±075(三段階)以内に抑えるべき、といった考え方があったりします。

それを忠実に守るため、

右 S-2.50
左 S-2.50

としてみました。
両眼開放下での矯正視力は1.0です。
右眼の矯正視力は0.3にしかなりませんが、左眼で見えているので問題ないとのことで、調製・納品しました。

2日後、電話がかかってきました。
「掛けていると気持ちが悪い。左眼は良く見えるのに右眼が全然見えない。度数が合っていないのではないか?」
というお申し出です。



どちらも極端な例ですが、何が言いたいかというと、このように、前眼鏡との度数差および矯正視力の左右差が大きい場合、装用テストと説明をよほどうまくやらないと、どんな度数でやっても不満が出るリスクが高いということです。
しかも「度が合っていない」という評価をされかねないということです。

上記のパターン①に関しては、理論的には「度が合っていない」とは言えないと思います。
「度が合っていない」というよりも「慣れることができない」というのが適切だと思いますが、掛けられなければ「合っていない」と言われてしまうのは仕方ないところかもしれません。

むしろパターン②のほうが、左右のバランスという観点から「度が合っていない」とはいえるかと思いますが、旧眼鏡が左右同度数だということを踏まえ、且つ変化の幅を少なく抑えたという点では、無下に非難されるものでもないかもしれません。

パターン①でうまくいく人も、パターン②てうまくいく人もいると思います。
もちろん、他のパターンでうまくいく人もいます。

今のフレームに飽きてきたというのがメインの主訴だということを踏まえて「今のメガネと度を変えてしまうと、洋服に合わせて掛け替えたりするのがしにくくなりますよ」とかなんとかうまいこと言って、前の度数と同じで納品するというのも、アリだと思います。

10人の眼鏡士がいたら、10人とも違う度数を候補にするかもしれない、そんなシチュエーションです。

どんなパターンでやっても、装用テストで納得いただしいて決めたとしても、結果として掛けられなければ「度が合っていない」と切り捨てられてしまうし、セオリーから外れていても、掛けられれば「度が合っている」と評価されるという、難しい例でもあります。






  1. 2019/01/11(金) 23:55:56|
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短絡的にやると失敗しそうなケース

最近、技術ネタが上がってこないと思われているかと思うのですが、技術ネタは一本仕上げるのに時間がかかるのです。
気軽にできるものではありません。

時間的余裕がないので、年内最後の技術ネタを簡単に。


10代学生
主訴、1か月くらい前から、遠くが見えにくくなってきた

そのときのオートレフ値

ixy_20181225_008.jpg

さて、どうするか?

10代で、遠くが見えにくいというのなら、オートレフ値はもっと近視寄りになってもよさそうなものです。
そもそも、このオートレフが正しいとして、そこまでの見えにくさを訴えるものなのか?

こういうケースでは遠視を疑いたいものですが、それを裏付けるために、主訴の掘り起こしが必要です。

たとえば
「スマホ見たり、教科書見たり、近くのものは見にくくないですか」
といった感じで、近業の見え具合を尋ねてみるもアリだと思います。

その結果、近業時に疲れる・近くを見てから遠くを見るとぼやける、といったようなキーワードが出てきたら、方向性は決まりです。

いきなり屈折検査に入る前に、下準備が必要になります。
±フリッパーをやってみるとか、+3Dくらいの雲霧を両眼にかけるとか、とにかく調節をリラックスさせる必要があるわけです。

ここで大事なのは、なぜそんなことをする必要があるのか、の説明をきちんとすること。
「遠くが見えにくい」という主訴で来ているのに、近業の話をし始めたら、不信感を抱かれてもおかしくないでしょう。

この段取りを踏むだけで、遠くの見えかたがかなり改善するケースもあります。
屈折検査は、当然、両眼開放が望ましいでしょう。

調節に負担がかかれば、両眼視も巻き込まれる可能性があります。
そのあたりもチェックは必要です。


細かな検査の内容は割愛しますが、今回は、「勉強をしているときに1時間くらいで目が疲れてくる、そのあと遠くが見えにくくなる」ということと、調節反応がイマイチなことから、

R: S+0.75
L: S+0.50 C-0.25 AX180

をご提案しました。

この度数を通して、かろうじて1.0が見えるくらいです。
遠く用ではなく、勉強用ということです。
近くの見やすさと、この度数から裸眼になったときの、遠くの見やすさを実感していただきました。
つまり、裸眼で遠見不自由なし、という状態になるということです。

逆に、潜伏遠視を引き出すことで、掛けているうちに、矯正視力1.2以上が出るかもしれません。
随時のフォローが必要になりますが、保護者のかたのご理解も得られましたので、まずはこれでやってみます。

賛否はあるところかと思いますが、近見環境を整えることを優先し、遠くが見えにくいという主訴に対して、あえて近業用をおすすめしたという話でした。


  1. 2018/12/25(火) 23:50:34|
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それは無理でしょ

他店さんから、「ここに行けば何とかなるかもしれないから」といったことを言われて来られたかた。

細かい背景は割愛しますが、白内障があり、手術をすることになりそうだけれど、メガネで何とかなるのであれば、ということで。

オートレフの測定はできたものの、データの信頼度が低く、レチノスコープの反射光もクリアではありません。

こういう状態の時に、0.25Dとか0.50D単位で「どうですか、どうですか」と尋ねたところで、時間の無駄です。
かなり強い屈折異常があるのではないかということを念頭に置いて、強い度数をあてがうことで、矯正視力に変化が出るかを確認していったほうが近道です。

結局、0.4以上の矯正視力が出ませんでした。
それではご本人の希望の視力に達しません。

無論、考えられるすべての度数の組み合わせ(近視性乱視・遠視性乱視・混合乱視等も含めて)を試したわけではありませんし、試せるわけもありませんが、この状態では手術をしない限り無理でしょう、としかお伝えのしようがありませんでした。

期待を抱いて足を運ばれただけに、大変申し訳ないのですが、どうすることもできません。
「あそこに行けば、何とかなるかもしれないから」と、これ以上別のお店を紹介することもできません。

心苦しいですが、こういうときもあります。


  1. 2018/12/18(火) 23:50:34|
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セミナー

久しぶりに恩師の講義を受けてきました。
「目新しい話はないよ」と恩師に言われていましたが、原点回帰というか、初心に戻って、と思いまして。

20181122190915273.jpeg

大切なのは屈折異常の矯正だというのは、20年前も今も同じです。
基本をおろそかにして、その先はありません。





  1. 2018/11/22(木) 19:21:23|
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色弱の子どもがわかる本

当店で取り扱いをしている色覚支援レンズ「イーガ」。

↓これは店頭でのお試し用です。

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これまでに何度かお電話でお問い合わせはあるのですが、いまだ一度も販売したことがありません。
私に商売っ気がないというか、バカ正直というか、私自身が色弱のため、当事者の立場で感じていることをそのまま伝えるので、購買意欲をそそるようなセールストークをしないのも悪いのだと思うのですが。

要するに、このレンズは、色覚異常を治すものではなく、色覚異常者が見分けにくいものを見分けられるようにするのが目的なので、健常者と同じ世界で見えるわけではないということです。

例えば仕事で、色の区別がつけにくい部品を選別しなければいけないとか、区別がつきにくい押しボタンを操作しなければならない、などといった場合には効果を発揮するかとは思いますので、そういう目的であればお勧めする価値はあると思います。
というか、そういう目的で取り扱いを始めたわけです。
1型・2型に、この1種類で対応でき、度付きも可能で、お値段的にも他社さんの製品よりはお安いので。

ですが、多くのかたは「健常者と同じ見えかたになる」と思っておられるようなので、そうではないことはきちんと伝えないと、せっかく期待いっぱいでご来店されても落胆されるだけでしょう。

見ての通り、レンズに濃い色がついていて、その色を通してみるのですから、健常者と同じ見えかたになるはずがないのです。
真っ白い紙は、この色を通せば真っ白くは見えないということです。

色の区別がつきにくくて、子供さんが学校で他の子からからかわれたとすれば、子供さんもご家族もつらいと思います。
かといって、このレンズを組み込んだメガネを掛けて学校へ行ったとしたら、今度は「なんやこいつ、変なメガネかけとるで~」と結局嫌な思いをすることにもなりかねません。
人の弱み・周りの人と違う特性を突いてくる子どもというのは、一度ロックオンした対象にはそういう態度を取るものです。

そういったことから、結果として「当店では扱っていませんが、他社さんの色覚サポートレンズも試してみたらどうですか?ここまで濃い色がついていませんし。」という流れになったら、もう購買意欲は湧かないですよね。
(だったら、他社さんのレンズも扱えばいいのですが、高価ですし、考え中です。)


色覚異常は治せません。
うまく付き合っていくしかないのです。
そのためには、周りのサポートも大切です。

ということで、前置きが長くなりましたが、日本オプトメトリック協会のジャーナルで、キクチ眼鏡専門学校の加藤教授がご紹介されていた本を入手してみたので、紹介します。

「色弱の子どもがわかる本」 かもがわ文庫

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「色弱の子ども(がだれなのか)がわかる本」ではなく、「色弱の子ども(の困っていること)がわかる本」「色弱の子ども(へのサポートの仕方)がわかる本」とご理解ください。

まぁ、サブタイトルから想像はつくかと思いますけれど、

色覚異常のある子供さんは、どのようなことで困ることがあるのか。
そのとき、家庭や幼稚園・保育園・学校では、どのような配慮をしてあげればよいのか。

ということが、具体的事例を挙げながら、漫画で説明されています。

色覚異常のタイプや程度によって、苦手な色は変わってきます。
ですから実際には、必ずしもこの事例の通りにはならないかもしれませんが、参考になるところは多いのではと思います。
3型(青系統が苦手)についての記述がほとんどないに等しいのは気になりましたが、極めて稀だということで、あえて触れなかったのかもしれません。

私は学校等で「見る力」に関する講義をさせていただく際には、必ず色覚異常の話を盛り込んでいます。
講義の趣旨からは、ちょっと外れてしまうところなのですが、先生がたには知っておいてほしいと思うからです。
そういう意味では、教育に携わる方々には、眼を通していただいてもよいのではと感じました。


もっとも、実社会においては、みんながみんな、このような配慮をしてくれるわけではありませんから、当然苦労することはあります。
私(色覚異常者本人)が言っているのですから、間違いないです。
周りのサポートは大切ですが、色覚異常を持つ本人が、その特性を理解し受け入れることが大前提というか大切であることは言うまでもありません。

ただ、そこまでのことをこの本に求めるのは酷というもので、こういう草の根的な活動を通じて、「カラーユニバーサル」が普及していけばいいなと思います。



  1. 2018/10/23(火) 23:41:42|
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仮枠でチャレンジ

以前にも、同じような話をアップした気がするのですが、ご容赦ください。

大型免許更新のために訪れた警察署での深視力検査に合格できず、その足でご来店いただいたお客様。
屈折異常の矯正で合格圏内に入る様子です。

この場でメガネを受け取って、午後から再度チャレンジできればとのことだったのですが、あいにく当店はレンズの在庫がほとんどありません。
お休みがなかなか取れないかたで、今日更新に行けないと来月になってしまうということなのですが。

乱視度数が弱くてよければ、一応在庫レンズはあるものの、それでは両眼のバランスが乱れますし、せっかく作るのだから、できれば上下プリズムも入れておきたいし、で、当店の価値観を押し付けると、即日納品は無理ということになります。
(同業のかたから突っ込まれるかもしれないので補足しておきますと、限りなく単性に近い倒乱視のため、偏心によるプリズム効果は期待できません。)

結論を申し上げますと、メガネはご注文いただいて後日納品とさせていただき、今日は仮枠にテストレンズを装着した状態で、警察署に行ってもらうことになりました。

ベストの度数を組んでしまうと、当店のテストレンズがなくなってしまうため、ちょっと弱めですが予備のある度数を使って、チャレンジしてもらうことに。
無論、弱めの度数でも、当店の機械では合格範囲に入ることは確認済みです。

レンズが外れたり、乱視軸が回転してしまうとアウトなので、テープで固定です。

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結果、無事合格されたということで、一安心です。


最後に、もう一つ補足をしますと、弱めの度数で合格できるのなら、その度数で(微妙に両眼のバランスがずれていても)メガネを作って即日納品すればいいじゃん、という話になるかと思います。
目的は、深視力検査に受かることなのですから。

もちろん、そういう考えかたもアリだとは思います。
ただ、私は、代金をいただく以上、納得できる度数で納品したかったですし、お客様のご理解もいただけたので、今回はこのような形を取らせていただいたということです。






  1. 2018/10/20(土) 23:50:20|
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とりあえず答えてください

当店はご年配のお客様が多いですので、運転免許更新がらみの相談も多いです。

すなわち、普通運転免許更新に必要な、片眼0.5以上、両眼で0.7以上の条件がクリアできるかできないかのギリギリの場合です。
なぜギリギリかというと、大半の理由は眼疾患。
白内障だったり、黄斑疾患だったり、矯正視力が得られにくく、メガネではこれ以上どうにもならないというケース。

このとき、律儀なかた、と言っていいかどうかはわかりませんが、お客様によっては、ハッキリとランドルト環の切れ目がわからない場合は答えない・わからないと返答する、ということがあります。

眼疾患の影響で解像度が落ちてしまっていますから、ハッキリというのを求められてしまうとなかなか難しいわけで、こいうときは何となくでも答えられそうなら、「上」とか「右」とか答えていただいたほうが良いです。

ハッキリ見えている0.7も、気合で何とか見えている0.7も、免許更新の視力検査においては評価は同じです。


高齢者講習で0.5だったということで来られるかたでも、当店で確認すると同じメガネで0.8~0.9が当たる場合も多いです。
卓上型の覗き込み式視力表だと難しいけれど、検査距離5mだと分かるということもあります。
警察署は卓上型が多いと思いますが、免許試験場だと覗き込み式でも卓上型よりは見やすく感じたりもします。

日を改めてみたり、時間を変えてみたりするのもいいかもしれません。
メガネでこれ以上の向上が望めない以上、とにかく答えていただくしかないというのが、更新する唯一の方法かと。

無論、何とか見えたという状態で更新できた場合、そういう見えかた(平たく言うと、危ないんじゃないかと思わざるを得ない)かたを運転させてしまう手助けをしたことになるわけで、そのジレンマというのは、常に感じてはいるわけですが。
運転できないと困るというお気持ちも、よくわかりますので・・・


なお、期限までに視力検査が不可のために更新できなくても、誕生日から半年以内に視力検査に合格すれば、復活はします。
たとえば、白内障の手術が期限までに受けらず、期限後に手術を受けて、視力が回復したというような場合です。






  1. 2018/10/16(火) 23:44:07|
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フレネルをどちらの眼に貼るか

今月はフレネルプリズム(以下フレネル)を貼らざるを得ない、というケースが続いています。
(眼科・脳外科受診済みです。)

フレネルを使う場合、プリズム量が増えることによる透明度の低下を避けるため、レンズのほうにできるだけプリズムを組み込んで、不足分をフレネルで補うという形を取ることが私は多いのですが、レンズのコバ厚の増加だったり、価格の兼ね合いだったりによっては、フレネルのみで対処することもあります。

いずれにしても、フレネルを両眼に貼るのか、片眼に貼るのか、迷うことがあります。
(レンズに組み込むときは、左右に振り分けることがほとんどです。)
いろいろな考えかたがあるようで、こうしなければいけないという絶対教義はないように思うのですが、私はお客様に装用感を伺いながら、最終的に片眼にのみ貼ることが多いです。

どちらの眼に貼るかで、必要なプリズム量が変わってくることもあり、そこは注意が必要ですが、斜視眼に貼ることがほとんどです。

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理由としては、非斜視眼(固視眼)にフレネルを貼ると、フレネルの影響で視力が低下してしまうため、複視は改善されても、視力的な面での見えにくさを訴えられるからです。

お客様に短時間で判断を強いるのも酷なのですが、お客様との共同作業で決めていくのが、私の場合はルーティンかと思います。



  1. 2018/10/15(月) 23:54:20|
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深視力が厳しいかた

毎月安定して深視力に苦労されているかたの検査をさせていただいておりますが、来られたかたが全員、適切なメガネで深視力の向上を得られているかというと、そうではありません。

残念ながら、当店で作製するメガネでは「本来求められている深視力検査に必要な見えかた」は獲得できないであろう、というケースが、少なからずあります。

一番多いのは「内斜視」です。
斜視角がかなり大きく、斜視眼の抑制が生じており、単純なプリズム付加で両眼単一視の獲得が厳しいという状態です。
内斜視の場合は、斜視角が小さくても、両眼視が困難なことが多いです。

次に多いのが、「片眼の矯正視力低下」です。
片眼の視力が0.5に達しなければ、深視力検査の前の視力検査でアウトになりますが、多いのは片眼は1.0以上で他眼がギリギリ0.5~0.6くらいのかたです。
当店の屈折検査では、どうやってもそれ以上の矯正視力が得られないという状態です。

視力の良いほうの眼で見る癖がついてしまっていますので、片眼視しているような状態になってしまっています。
視力が良いほうの眼をわざとボカシて他眼と類似させたらどうかというと、棒がはっきり見えないということになるため、やっぱり反応は悪くなります。

上記のような状態ですと、理論的には深視力検査に合格することは困難です。
適切な両眼視状態ではないわけですから。

もし合格できたとすれば、それは「本来求められている立体感」で答えているのではなく、棒の太さ・濃さ・真ん中の棒と両隣の棒の間隔・棒の動く速度、などといった手掛かりを基に答えているということになるのです。





  1. 2018/10/02(火) 23:39:00|
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Horror fusion

斜視のかたで両眼視を得たい(たいていは深視力テストに通りたいというケースです)という場合に、当店ですと基本的にはプリズム付加で両眼視ができるかを見ていくことになります。

当店には大型弱視鏡はないので、マドックス法で眼位ずれの計測を行ないます。
このとき、たとえば、プリズム付加なしの時に固視より右側に線状光が見え、プリズムを付加していくことで固視点に線状光が近づいていくのは確認できるものの、途中でいきなり固視点の左側に線状光が移動してしまうことがあります。

つまり、固視点と線状光が(ほぼ)重なった、という返答が得られないということです。
理屈の上では、右眼の中心窩に映っている像と、左眼の中心窩に映っている像とを重ねることができない、ということになります。

こうした現象をHorror fusion(融像こわがり)と呼びます。

これが起きてしまうと、理論上、どうやっても精密な立体視は得られません。

トレーニングで、と言われても、同時視自体を回避されてしまうので、なかなか難しいというか、私自身はトレーニングで解決させたという実績がありません。

もし深視力獲得が目的だとしたら、「私では対応できないです」という返答になるかと思います。




  1. 2018/09/23(日) 23:40:11|
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不同視の場合によくあるパターン

たとえば、50歳くらいのかたと仮定して、「左右で度数差があり、普段は裸眼なのだけれど、合うメガネが作れるか」ということで、検査をしてみたら、完全矯正値が度数になったとします。(眼位については考えないものとします。)

右 S-1.50
左 S+1.25 C-0.75 AX90
40cmを見るための加入度1.75

このかたは裸眼の時、遠くは左眼、近くは右眼で見ている可能性が高いです。

そしてこのかたが完全矯正値を装用した場合、不同視を矯正したことによる違和感はないとして、何が問題になるかというと、遠くは見えるけれど近くが見にくいということです。

また、このかたに完全矯正値に加入度を付加した度数で40cmを見てもらうと、近くは見えるが遠くは見にくい、ということになります。

今までは裸眼で遠くも近くも見えていたものが、見えなくなるわけです。

一本のメガネで、遠くも近くも見たいとなると、遠近両用になりますが、このような不同視のかたは、単焦点なら大丈夫でも遠近両用になると違和感が大きくて、装用がしんどいということが起こり得ます。
(そもそも、単焦点ですらしんどいかたもいるでしょうが。)

そうしますと、近用鏡を作ったとして、遠くを見るときはメガネを外さないといけなくなります。
遠用鏡を作ったとして、近くを見るときはメガネを外さないといけなくなります。
(もしくは、遠用鏡ないし近用鏡にかけかえる必要があります)

今まで裸眼でよかった人にとって、これは非常に面倒くさいです。
結局、今のまま裸眼でいいということになりやすいわけです。

もう少し年齢を重ねると、裸眼でも近くが見にくくなりますから、その時は諦めて近用鏡を作る気になるかもしれません。
それまでは、メガネを掛ける(使いかたに慣れる)ためのモチベーションが上がりません。

また、モチベーションが上がるころには、左眼の遠視が加齢によって増えていたり、加入度が増えていたり、体の適応力が低下していたりして、不同視眼鏡そのものに慣れにくくなってしまう可能性もあります。

「裸眼では不自由だ」という明確なものがない限り、この手の不同視の人に早くからメガネをお勧めするのは、なかなか難しいという話でした。






  1. 2018/09/19(水) 23:40:31|
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免許試験場の深視力計

当店の深視力計は、2.5m離れたところに設置するタイプです。

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神奈川県の運転免許試験場(二俣川)では、最初にこちらのような覗き込むタイプのもので行ない、合格できない場合に、上記のようなタイプで再試験を行ないます。

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神奈川県の警察署の多くは、卓上におけるコンパクトサイズの除き込み式しか置いていないところが多いようです。

一般的には、覗き込み式のほうが難しく感じるかたが多いです。

ですので、当店に深視力のことでご相談に来られたかたには、警察署でダメなら免許試験場へ行ってみてくださいとお伝えしていました。


ですが、免許試験場が今年の春に新しい建物に引っ越しをしておりまして、場合によっては、引っ越しを契機に覗き込み式しか置かなくなっている可能性も否定できないわけです。
他の都道府県ではそういう例があったと聞き及んでおりましすので。

そのことを免許試験場に確認しないといけないと思いつつ失念しており、それなのにお客様には「免許試験場に行きましょう」と無責任なアドバイスを続けていたのでありました。

それで、先日、今日こそは確認しようと思っていたら、ちょうど新しい免許試験場で深視力検査を受けたというかたが来られまして、話を伺ってみましたら、覗き込むのと覗き込まないのと、両方置いてあったとのこと。

自身の怠慢を大いに反省しますとともに、どちらも置いてあってよかったと、安堵いたしました。
もし、覗き込みタイプしか置いていないということになったら、合格できなくて困るかたが相当数出てくるでしょうし、当店としても覗き込み式を購入せざるを得ないところでした。

深視力測定に関する、もう少し詳しい話は、こちらをご参照ください。





  1. 2018/08/29(水) 23:40:35|
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