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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

ピント合わせ

今さら、のネタですが、思うところあってアップします。

人間の眼はカメラによくたとえられますので、それにならって説明してみましょう。


カメラをマニュアルモードにして、遠くにピントを合わせてみます。

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そのまま遠くにピントが合っている状態で、眼前40cmほどにあるパソコンモニターを撮影してみました。

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ボケますね。

パソコンモニターをきれいに撮ろうとするのなら、そのモニターの距離にピントを合わせないといけません。

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私たちの眼も同じことが起きています。

つまり、遠くを見ているときの眼のピント状態で、パソコンモニターを見れば、モニターはぼやけてしまいます。
それでは具合が悪いので、私たちの眼は、パソコンモニターの距離にピントを合わせます。
これは意識的というよりも、むしろ反射的なものに近いと言えましょう。
まさに、オートフォーカスです。
この作業を「調節」と呼んでいます。

もし、遠方(眼科的には5メートル)を見るときに度数が不要な「正視」の人が、眼前40cmのモニターを見ようとするのなら、その人は遠くから40cmの距離までピントを合わせる作業、すなわち「調節」をしないといけません。

調節をするためには、眼の筋肉を使います。
自分の感覚としてはなかなか感じにくいのですが、筋肉を使っています。


先ほどのカメラを、5メートルの距離を撮るには物足りないピントにしてみます。

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1mくらいの距離にピントが合うような状態です。

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このピントの状態で、先ほどと同じく40cmの距離にあるモニターを撮影してみます。

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ボケてはいますが、先ほどよりはボケが少ないです。

5メートル以遠にピントが合った状態よりも、1メートルにピントが合った状態のほうが、40cmのものはマシに見えるということです。


私たちの眼も同じです。

正視の人よりも、1メートルくらいのものが裸眼ではっきり見える人のほうが、調節をしていない状態ではモニターのボケが少ないのです。
しかし、実際にはモニターを見れば調節が働いてしまいます。
ただし、この時の仕事量は5メートルから40cmにピントを合わせるよりも少なくて済みます。
1mから40cmにピントを合わせれば済みますので。
当然、筋肉の疲労度も違ってきます。


つまり、正視の人が裸眼でパソコンモニターを見るのは、弱度の近視の人が裸眼でパソコンモニターを見るよりも、筋肉の負担が大きいということです。

同様に、近視の人が遠見視力1.0以上得をられるようなメガネを掛けてパソコンモニターを見るのは、それよりも幾らか弱い近視度数のメガネを掛けてパソコンモニターを見るよりも、筋肉の負担が大きくなります。

筋肉の負担が大きいということは、疲れやすくなる、いわゆる眼精疲労を起こすリスクが高くなるということです。


パソコンモニターを見る際の「調節」に伴う筋肉の負担を最小限度にするには、そのモニターの距離に合わせた度数のメガネ(モニターの距離にピントが合ったメガネ)を掛けることが大切になります。

「パソコン作業で眼が疲れる」というお申し出をお客様から受けた場合、まずこのように、モニターを見るのに適切な度数環境が得られているのかを確認することが必要になるわけです。

ただし、度数が適切であればそれでよいかというと、それだけでは不十分です。
それは、また次の機会に。



  1. 2012/09/14(金) 23:22:04|
  2. 視機能・視覚・検査など
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