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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

Moro reflex

今日は、ちょっと専門的な内容です。

生後数か月ごろまで「原始反射」と呼ばれるいろいろな「反射」があります。
これは、新生児が生まれて間もない期間を生き抜いていくために備わっている、ある意味動物としての本能的なものともいえるでしょう。
体を動かす上で必要となるいろいろな運動の基礎となるものもあり、ある時期がくれば自然に生じなくなるのが普通です。

ところが、何らかの理由によって、この反射がいつまでも残存していると、視覚システムが発達していく上で妨げとなる場合があります。

その一つが「Moro reflex(モロー反射)」です。
赤ちゃんが、何かにビックリしたとき、危ないと本能的に感じた時などに見られる反射です。

これを強制的に誘発させるには、

普通に抱きかかえている状態(できるだけ垂直に近い状態)から、仰向け状態へと急激に体位を変化させるのが簡単です。

0912081.jpg



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※生後間もない時に撮っておけばよかったのですが、後回しになってしまい、最近では抑制されつつあるようで、あまり見事な反応をしません。
中途半端な状態で恐縮です。

あまりにもお粗末な画像なので、かわりにイラストをば。

morosally.jpg
イラスト出典; Sally Goddard "The Role of Primitive Survival Reflex in the Development of the Visual System"
Journal of Behavioral Optometry 1995 volume 6/2


モロー反射が生じたときの、典型的な状態は、
・頭が後方に倒れた時、反射的に腕が外側に向かって伸びる。
・足は腕よりは小さな割合で外側に伸びる。
・呼吸が早くなり、手は物をつかもうとするかのように開き、体はしばらくの間その体勢で固まっている。
・助けを求めて泣き出すこともある。
といったところです。

この反射は、生後2~4か月で抑制されるのが通常ですが、この時期を過ぎても残存するようだと、視覚関係であげれば下記のような問題につながる可能性があります。

・前庭機能に関する問題
 →乗り物酔い、体のバランスの乱れ、ボール遊び(球技)が苦手
・眼球運動の問題
・視知覚の問題
 →視野に入ってくるすべての情報が気になってしまい、不必要な情報を無視できない。
  視物の形や輪郭に意識が引き寄せられてしまい、細かい内容にまでは注意がいかない。

私が留学中に見学させていただいたクリニックでは、モロー反射が残存していた場合に、それを克服するためのトレーニングを取り入れていました。

詳細については、日本オプトメトリック協会が発行している「JOAジャーナル 2002 No.20 Vol.2」に投稿してしまっているので、ここに書くことはできません。
お許しくださいませ。

視覚システムの発達と体の発達とは密接な関係があるのだということを、なんとなくでも感じていただければ幸いです。


参考文献 「視覚システムの発達における原始反射の役割」 木部俊宏 JOAジャーナル 2002 No.20 Vol.2   
  1. 2009/12/08(火) 23:34:57|
  2. 視機能・視覚・検査など
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