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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

それは無理でしょ

他店さんから、「ここに行けば何とかなるかもしれないから」といったことを言われて来られたかた。

細かい背景は割愛しますが、白内障があり、手術をすることになりそうだけれど、メガネで何とかなるのであれば、ということで。

オートレフの測定はできたものの、データの信頼度が低く、レチノスコープの反射光もクリアではありません。

こういう状態の時に、0.25Dとか0.50D単位で「どうですか、どうですか」と尋ねたところで、時間の無駄です。
かなり強い屈折異常があるのではないかということを念頭に置いて、強い度数をあてがうことで、矯正視力に変化が出るかを確認していったほうが近道です。

結局、0.4以上の矯正視力が出ませんでした。
それではご本人の希望の視力に達しません。

無論、考えられるすべての度数の組み合わせ(近視性乱視・遠視性乱視・混合乱視等も含めて)を試したわけではありませんし、試せるわけもありませんが、この状態では手術をしない限り無理でしょう、としかお伝えのしようがありませんでした。

期待を抱いて足を運ばれただけに、大変申し訳ないのですが、どうすることもできません。
「あそこに行けば、何とかなるかもしれないから」と、これ以上別のお店を紹介することもできません。

心苦しいですが、こういうときもあります。


  1. 2018/12/18(火) 23:50:34|
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セミナー

久しぶりに恩師の講義を受けてきました。
「目新しい話はないよ」と恩師に言われていましたが、原点回帰というか、初心に戻って、と思いまして。

20181122190915273.jpeg

大切なのは屈折異常の矯正だというのは、20年前も今も同じです。
基本をおろそかにして、その先はありません。





  1. 2018/11/22(木) 19:21:23|
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色弱の子どもがわかる本

当店で取り扱いをしている色覚支援レンズ「イーガ」。

↓これは店頭でのお試し用です。

eaga.jpg

これまでに何度かお電話でお問い合わせはあるのですが、いまだ一度も販売したことがありません。
私に商売っ気がないというか、バカ正直というか、私自身が色弱のため、当事者の立場で感じていることをそのまま伝えるので、購買意欲をそそるようなセールストークをしないのも悪いのだと思うのですが。

要するに、このレンズは、色覚異常を治すものではなく、色覚異常者が見分けにくいものを見分けられるようにするのが目的なので、健常者と同じ世界で見えるわけではないということです。

例えば仕事で、色の区別がつけにくい部品を選別しなければいけないとか、区別がつきにくい押しボタンを操作しなければならない、などといった場合には効果を発揮するかとは思いますので、そういう目的であればお勧めする価値はあると思います。
というか、そういう目的で取り扱いを始めたわけです。
1型・2型に、この1種類で対応でき、度付きも可能で、お値段的にも他社さんの製品よりはお安いので。

ですが、多くのかたは「健常者と同じ見えかたになる」と思っておられるようなので、そうではないことはきちんと伝えないと、せっかく期待いっぱいでご来店されても落胆されるだけでしょう。

見ての通り、レンズに濃い色がついていて、その色を通してみるのですから、健常者と同じ見えかたになるはずがないのです。
真っ白い紙は、この色を通せば真っ白くは見えないということです。

色の区別がつきにくくて、子供さんが学校で他の子からからかわれたとすれば、子供さんもご家族もつらいと思います。
かといって、このレンズを組み込んだメガネを掛けて学校へ行ったとしたら、今度は「なんやこいつ、変なメガネかけとるで~」と結局嫌な思いをすることにもなりかねません。
人の弱み・周りの人と違う特性を突いてくる子どもというのは、一度ロックオンした対象にはそういう態度を取るものです。

そういったことから、結果として「当店では扱っていませんが、他社さんの色覚サポートレンズも試してみたらどうですか?ここまで濃い色がついていませんし。」という流れになったら、もう購買意欲は湧かないですよね。
(だったら、他社さんのレンズも扱えばいいのですが、高価ですし、考え中です。)


色覚異常は治せません。
うまく付き合っていくしかないのです。
そのためには、周りのサポートも大切です。

ということで、前置きが長くなりましたが、日本オプトメトリック協会のジャーナルで、キクチ眼鏡専門学校の加藤教授がご紹介されていた本を入手してみたので、紹介します。

「色弱の子どもがわかる本」 かもがわ文庫

20181023220026026.jpeg

「色弱の子ども(がだれなのか)がわかる本」ではなく、「色弱の子ども(の困っていること)がわかる本」「色弱の子ども(へのサポートの仕方)がわかる本」とご理解ください。

まぁ、サブタイトルから想像はつくかと思いますけれど、

色覚異常のある子供さんは、どのようなことで困ることがあるのか。
そのとき、家庭や幼稚園・保育園・学校では、どのような配慮をしてあげればよいのか。

ということが、具体的事例を挙げながら、漫画で説明されています。

色覚異常のタイプや程度によって、苦手な色は変わってきます。
ですから実際には、必ずしもこの事例の通りにはならないかもしれませんが、参考になるところは多いのではと思います。
3型(青系統が苦手)についての記述がほとんどないに等しいのは気になりましたが、極めて稀だということで、あえて触れなかったのかもしれません。

私は学校等で「見る力」に関する講義をさせていただく際には、必ず色覚異常の話を盛り込んでいます。
講義の趣旨からは、ちょっと外れてしまうところなのですが、先生がたには知っておいてほしいと思うからです。
そういう意味では、教育に携わる方々には、眼を通していただいてもよいのではと感じました。


もっとも、実社会においては、みんながみんな、このような配慮をしてくれるわけではありませんから、当然苦労することはあります。
私(色覚異常者本人)が言っているのですから、間違いないです。
周りのサポートは大切ですが、色覚異常を持つ本人が、その特性を理解し受け入れることが大前提というか大切であることは言うまでもありません。

ただ、そこまでのことをこの本に求めるのは酷というもので、こういう草の根的な活動を通じて、「カラーユニバーサル」が普及していけばいいなと思います。



  1. 2018/10/23(火) 23:41:42|
  2. 視機能・視覚・検査など
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仮枠でチャレンジ

以前にも、同じような話をアップした気がするのですが、ご容赦ください。

大型免許更新のために訪れた警察署での深視力検査に合格できず、その足でご来店いただいたお客様。
屈折異常の矯正で合格圏内に入る様子です。

この場でメガネを受け取って、午後から再度チャレンジできればとのことだったのですが、あいにく当店はレンズの在庫がほとんどありません。
お休みがなかなか取れないかたで、今日更新に行けないと来月になってしまうということなのですが。

乱視度数が弱くてよければ、一応在庫レンズはあるものの、それでは両眼のバランスが乱れますし、せっかく作るのだから、できれば上下プリズムも入れておきたいし、で、当店の価値観を押し付けると、即日納品は無理ということになります。
(同業のかたから突っ込まれるかもしれないので補足しておきますと、限りなく単性に近い倒乱視のため、偏心によるプリズム効果は期待できません。)

結論を申し上げますと、メガネはご注文いただいて後日納品とさせていただき、今日は仮枠にテストレンズを装着した状態で、警察署に行ってもらうことになりました。

ベストの度数を組んでしまうと、当店のテストレンズがなくなってしまうため、ちょっと弱めですが予備のある度数を使って、チャレンジしてもらうことに。
無論、弱めの度数でも、当店の機械では合格範囲に入ることは確認済みです。

レンズが外れたり、乱視軸が回転してしまうとアウトなので、テープで固定です。

ixy_20181019_007.jpg

結果、無事合格されたということで、一安心です。


最後に、もう一つ補足をしますと、弱めの度数で合格できるのなら、その度数で(微妙に両眼のバランスがずれていても)メガネを作って即日納品すればいいじゃん、という話になるかと思います。
目的は、深視力検査に受かることなのですから。

もちろん、そういう考えかたもアリだとは思います。
ただ、私は、代金をいただく以上、納得できる度数で納品したかったですし、お客様のご理解もいただけたので、今回はこのような形を取らせていただいたということです。






  1. 2018/10/20(土) 23:50:20|
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とりあえず答えてください

当店はご年配のお客様が多いですので、運転免許更新がらみの相談も多いです。

すなわち、普通運転免許更新に必要な、片眼0.5以上、両眼で0.7以上の条件がクリアできるかできないかのギリギリの場合です。
なぜギリギリかというと、大半の理由は眼疾患。
白内障だったり、黄斑疾患だったり、矯正視力が得られにくく、メガネではこれ以上どうにもならないというケース。

このとき、律儀なかた、と言っていいかどうかはわかりませんが、お客様によっては、ハッキリとランドルト環の切れ目がわからない場合は答えない・わからないと返答する、ということがあります。

眼疾患の影響で解像度が落ちてしまっていますから、ハッキリというのを求められてしまうとなかなか難しいわけで、こいうときは何となくでも答えられそうなら、「上」とか「右」とか答えていただいたほうが良いです。

ハッキリ見えている0.7も、気合で何とか見えている0.7も、免許更新の視力検査においては評価は同じです。


高齢者講習で0.5だったということで来られるかたでも、当店で確認すると同じメガネで0.8~0.9が当たる場合も多いです。
卓上型の覗き込み式視力表だと難しいけれど、検査距離5mだと分かるということもあります。
警察署は卓上型が多いと思いますが、免許試験場だと覗き込み式でも卓上型よりは見やすく感じたりもします。

日を改めてみたり、時間を変えてみたりするのもいいかもしれません。
メガネでこれ以上の向上が望めない以上、とにかく答えていただくしかないというのが、更新する唯一の方法かと。

無論、何とか見えたという状態で更新できた場合、そういう見えかた(平たく言うと、危ないんじゃないかと思わざるを得ない)かたを運転させてしまう手助けをしたことになるわけで、そのジレンマというのは、常に感じてはいるわけですが。
運転できないと困るというお気持ちも、よくわかりますので・・・


なお、期限までに視力検査が不可のために更新できなくても、誕生日から半年以内に視力検査に合格すれば、復活はします。
たとえば、白内障の手術が期限までに受けらず、期限後に手術を受けて、視力が回復したというような場合です。






  1. 2018/10/16(火) 23:44:07|
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フレネルをどちらの眼に貼るか

今月はフレネルプリズム(以下フレネル)を貼らざるを得ない、というケースが続いています。
(眼科・脳外科受診済みです。)

フレネルを使う場合、プリズム量が増えることによる透明度の低下を避けるため、レンズのほうにできるだけプリズムを組み込んで、不足分をフレネルで補うという形を取ることが私は多いのですが、レンズのコバ厚の増加だったり、価格の兼ね合いだったりによっては、フレネルのみで対処することもあります。

いずれにしても、フレネルを両眼に貼るのか、片眼に貼るのか、迷うことがあります。
(レンズに組み込むときは、左右に振り分けることがほとんどです。)
いろいろな考えかたがあるようで、こうしなければいけないという絶対教義はないように思うのですが、私はお客様に装用感を伺いながら、最終的に片眼にのみ貼ることが多いです。

どちらの眼に貼るかで、必要なプリズム量が変わってくることもあり、そこは注意が必要ですが、斜視眼に貼ることがほとんどです。

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理由としては、非斜視眼(固視眼)にフレネルを貼ると、フレネルの影響で視力が低下してしまうため、複視は改善されても、視力的な面での見えにくさを訴えられるからです。

お客様に短時間で判断を強いるのも酷なのですが、お客様との共同作業で決めていくのが、私の場合はルーティンかと思います。



  1. 2018/10/15(月) 23:54:20|
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深視力が厳しいかた

毎月安定して深視力に苦労されているかたの検査をさせていただいておりますが、来られたかたが全員、適切なメガネで深視力の向上を得られているかというと、そうではありません。

残念ながら、当店で作製するメガネでは「本来求められている深視力検査に必要な見えかた」は獲得できないであろう、というケースが、少なからずあります。

一番多いのは「内斜視」です。
斜視角がかなり大きく、斜視眼の抑制が生じており、単純なプリズム付加で両眼単一視の獲得が厳しいという状態です。
内斜視の場合は、斜視角が小さくても、両眼視が困難なことが多いです。

次に多いのが、「片眼の矯正視力低下」です。
片眼の視力が0.5に達しなければ、深視力検査の前の視力検査でアウトになりますが、多いのは片眼は1.0以上で他眼がギリギリ0.5~0.6くらいのかたです。
当店の屈折検査では、どうやってもそれ以上の矯正視力が得られないという状態です。

視力の良いほうの眼で見る癖がついてしまっていますので、片眼視しているような状態になってしまっています。
視力が良いほうの眼をわざとボカシて他眼と類似させたらどうかというと、棒がはっきり見えないということになるため、やっぱり反応は悪くなります。

上記のような状態ですと、理論的には深視力検査に合格することは困難です。
適切な両眼視状態ではないわけですから。

もし合格できたとすれば、それは「本来求められている立体感」で答えているのではなく、棒の太さ・濃さ・真ん中の棒と両隣の棒の間隔・棒の動く速度、などといった手掛かりを基に答えているということになるのです。





  1. 2018/10/02(火) 23:39:00|
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Horror fusion

斜視のかたで両眼視を得たい(たいていは深視力テストに通りたいというケースです)という場合に、当店ですと基本的にはプリズム付加で両眼視ができるかを見ていくことになります。

当店には大型弱視鏡はないので、マドックス法で眼位ずれの計測を行ないます。
このとき、たとえば、プリズム付加なしの時に固視より右側に線状光が見え、プリズムを付加していくことで固視点に線状光が近づいていくのは確認できるものの、途中でいきなり固視点の左側に線状光が移動してしまうことがあります。

つまり、固視点と線状光が(ほぼ)重なった、という返答が得られないということです。
理屈の上では、右眼の中心窩に映っている像と、左眼の中心窩に映っている像とを重ねることができない、ということになります。

こうした現象をHorror fusion(融像こわがり)と呼びます。

これが起きてしまうと、理論上、どうやっても精密な立体視は得られません。

トレーニングで、と言われても、同時視自体を回避されてしまうので、なかなか難しいというか、私自身はトレーニングで解決させたという実績がありません。

もし深視力獲得が目的だとしたら、「私では対応できないです」という返答になるかと思います。




  1. 2018/09/23(日) 23:40:11|
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不同視の場合によくあるパターン

たとえば、50歳くらいのかたと仮定して、「左右で度数差があり、普段は裸眼なのだけれど、合うメガネが作れるか」ということで、検査をしてみたら、完全矯正値が度数になったとします。(眼位については考えないものとします。)

右 S-1.50
左 S+1.25 C-0.75 AX90
40cmを見るための加入度1.75

このかたは裸眼の時、遠くは左眼、近くは右眼で見ている可能性が高いです。

そしてこのかたが完全矯正値を装用した場合、不同視を矯正したことによる違和感はないとして、何が問題になるかというと、遠くは見えるけれど近くが見にくいということです。

また、このかたに完全矯正値に加入度を付加した度数で40cmを見てもらうと、近くは見えるが遠くは見にくい、ということになります。

今までは裸眼で遠くも近くも見えていたものが、見えなくなるわけです。

一本のメガネで、遠くも近くも見たいとなると、遠近両用になりますが、このような不同視のかたは、単焦点なら大丈夫でも遠近両用になると違和感が大きくて、装用がしんどいということが起こり得ます。
(そもそも、単焦点ですらしんどいかたもいるでしょうが。)

そうしますと、近用鏡を作ったとして、遠くを見るときはメガネを外さないといけなくなります。
遠用鏡を作ったとして、近くを見るときはメガネを外さないといけなくなります。
(もしくは、遠用鏡ないし近用鏡にかけかえる必要があります)

今まで裸眼でよかった人にとって、これは非常に面倒くさいです。
結局、今のまま裸眼でいいということになりやすいわけです。

もう少し年齢を重ねると、裸眼でも近くが見にくくなりますから、その時は諦めて近用鏡を作る気になるかもしれません。
それまでは、メガネを掛ける(使いかたに慣れる)ためのモチベーションが上がりません。

また、モチベーションが上がるころには、左眼の遠視が加齢によって増えていたり、加入度が増えていたり、体の適応力が低下していたりして、不同視眼鏡そのものに慣れにくくなってしまう可能性もあります。

「裸眼では不自由だ」という明確なものがない限り、この手の不同視の人に早くからメガネをお勧めするのは、なかなか難しいという話でした。






  1. 2018/09/19(水) 23:40:31|
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免許試験場の深視力計

当店の深視力計は、2.5m離れたところに設置するタイプです。

dendou_201808292243000a4.jpg

神奈川県の運転免許試験場(二俣川)では、最初にこちらのような覗き込むタイプのもので行ない、合格できない場合に、上記のようなタイプで再試験を行ないます。

kowa_201808292243010f0.jpg

神奈川県の警察署の多くは、卓上におけるコンパクトサイズの除き込み式しか置いていないところが多いようです。

一般的には、覗き込み式のほうが難しく感じるかたが多いです。

ですので、当店に深視力のことでご相談に来られたかたには、警察署でダメなら免許試験場へ行ってみてくださいとお伝えしていました。


ですが、免許試験場が今年の春に新しい建物に引っ越しをしておりまして、場合によっては、引っ越しを契機に覗き込み式しか置かなくなっている可能性も否定できないわけです。
他の都道府県ではそういう例があったと聞き及んでおりましすので。

そのことを免許試験場に確認しないといけないと思いつつ失念しており、それなのにお客様には「免許試験場に行きましょう」と無責任なアドバイスを続けていたのでありました。

それで、先日、今日こそは確認しようと思っていたら、ちょうど新しい免許試験場で深視力検査を受けたというかたが来られまして、話を伺ってみましたら、覗き込むのと覗き込まないのと、両方置いてあったとのこと。

自身の怠慢を大いに反省しますとともに、どちらも置いてあってよかったと、安堵いたしました。
もし、覗き込みタイプしか置いていないということになったら、合格できなくて困るかたが相当数出てくるでしょうし、当店としても覗き込み式を購入せざるを得ないところでした。

深視力測定に関する、もう少し詳しい話は、こちらをご参照ください。





  1. 2018/08/29(水) 23:40:35|
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プリズムメガネはどこのメガネ店でも作れますか?

上記タイトルのような質問をいただくことがあります。

プリズムメガネは、メガネ店を名乗る以上、どこのお店でも本来はできるものです。

ですが、お店の方針により、大きくは下記の3つにわかれるのではないかと考えます。


①処方箋・自店測定を問わず、プリズムメガネは扱わない

プリズムメガネを扱う場合・・・
「偏心」という手法を用いない限り、プリズムレンズは特注レンズとなり、レンズの仕入れ価格が上がります。
加工のミスが出たり、一旦納品したはけれど見えかたに不具合があり作り直したり、といったリスクが上がる可能性があります。
知識や技術習得のため、それ相応の社員教育が必要になります。
お客様への説明、(自店測定の場合には)測定・決定に時間がかかります。
うまくいかない場合、お客様にご迷惑をかけることになり、それは自社のブランドイメージを損なうことにつながるかもしれません。

他にもあるでしょうが、いずれもさまざまなコストがかかります。
企業として利潤を追求するのは当然であり、そのために不要なコストはカットするのも当然です。

プリズムメガネを扱うために生じるコストと、プリズムメガネを扱わないことによる機会ロスとを比較したときに、前者のほうが不利益が大きいと判断するのであれば、あえてプリズムメガネを扱わない、「必要な人は他のお店をご利用ください」というスタンスは、、経営的側面からみればドライというか潔い選択だと思います。


②処方箋によるプリズムメガネは扱うが、自店測定でのプリズムメガネは扱わない

「プリズムメガネは眼科医の処方に基づいてつくるものである」という経営者の方針があったり、自店に測定におけるコストをかけたくない、あるいはプリズム量の測定・決定に不安がある、といったような場合は、このパターンになることもあると思います。



➂処方箋・自店測定を問わず、プリズムメガネを扱う

自店測定を行なう店であっても、突発的な複視であったり、何か気になることがあったりする場合は、まず医師の診察をお勧めすることになります。


どのパターンになるかは、お店によって異なります。
ですから、上記の質問に対しては「お店によって異なるので、直接お尋ねください」ということになります。


あと考えられるのが
④処方箋によるプリズムメガネは扱わない。自店測定のみ扱う
というパターン。

確固たる信念と自信があるお店の中には、このパターンを取っているところがあるかもしれません。


ちなみに当店は③になります。


●2018年8月28日補足●

眼鏡店がプリズムメガネを扱わないということに関しては、個々の方針があるかと思いますので、私がどうのこうの言うことではないと思っています。
ただ、本来はプリズムメガネが必要(もしくは医師の診察が好ましいと思われる)なのに、それを承知で(もしくは知らなくて)プリズムなしのメガネを販売するのは、好ましくないと考えます。

つまり、プリズムメガネを扱わないのであれば、「お客様にはプリズムメガネが効果を発揮するかもしれないのですが、当店では扱っておりませんので、○○眼科さんを紹介します」などといった、適切なアドバイスができるだけの知識は必要ではないかと考えております。


  1. 2018/08/25(土) 23:38:11|
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近見チャート

近見での視機能検査を行なう器具が当店には幾つかあるのですが、電源を必要とするものが2種類あります。

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この中で、近見時の調節(ピント合わせ)状態をチェックする視表があります。

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私は近見加入度を決める際の目安にも利用しているのですが、たとえば眼前40cmの距離にこれをセットしたときに、赤の背景に書かれたランドルト環のほうが緑の背景に書かれたランドルト環よりもクッキリ見えたら加入度を弱くし、逆であれば加入度を強くする、といった具合です。

この視標は、「遠用度数で近見をしても一応見えるのだけれど、だんだん疲れてくる」という主訴に基づき、遠近両用累進レンズを初めてご提案したようなかたの装用練習にも使えます。

遠近両用累進レンズは、下方視をしていくことで加入度が増え、近見がしやすい(近くのものが見える)という仕組みですが、上記のようなかたは、遠用度数でも近見が可能なわけですから、レンズのどこを通してみるのが良いのかがイマイチわかりにくいのです。
加入度が弱かろうが強かろうが、近見ができてしまうので、累進レンズの実感が湧きにくいのです。

このときに、この視標を使います。

普通に顎を引いて視標を見たときに、緑の背景のランドルト環のほうがクッキリ見えるようだったら、顎を上げ下方視をするように視線を変化させていきます。
そうすると、赤・緑どちらの背景のランドルト環も同じクッキリさになってきます。
その時の角度・視線の使いかたをしたときに、累進レンズの効果が発揮されるわけです。

これがマスターできないと、結局限りなく遠用度数に近いところで近見をしてしまい、せっかく累進レンズを作ったのに効果を感じられないという残念なことになりかねませんので、そこを体感していただくためには有用かと思います。








  1. 2018/08/22(水) 23:50:03|
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指示の出しかた

眼鏡度数を決めるために行なう検査は、その大半を「自覚的検査」に委ねています。
これは「検査される人(以下、被検者)の感じかたに左右される」検査です。
言い換えると、「被検者の返答1つで、どうにでも検査結果を左右できる」検査ということです。

たとえば、心電図検査中に「ちょっとここらで心房細動を入れてみよう」とか、血液検査の際に「中性脂肪を20くらい下げときましょか」といった感じで、被検者が自分の意志でデータを操作することは、常識的には不可能です。

一方、屈折異常測定の検査は、オートレフやレチノスコープなどの「他覚的検査」の結果がどうであっても、「自覚的検査」において「見えへん」と言われたら、そのお答えを尊重するしかありません。
(そこを悪用すると、本当は見えているのに見えていないと嘘をつく「詐盲」が成り立つことになりますが、OKNドラムを用いるなどして、見えていることを立証することは可能です。)

まぁ、それは極端な例としても、屈折検査や眼位検査は、被検者にとって返答に迷ってしまうような場合も少なくありません。
「どちらが見やすいか」と問われても、どっちとも言えるような場合もあるかと思います。

したがって、検査者はできるかぎり適切な返答が得られるように、指示の出しかたに留意しないといけないわけです。
また、指示の出しかたは検者なりに適切だと思っていても、返ってくる返答に信頼がおけない場合は、別の検査をやってみるのもよいと思います。

以前、乱視検査に用いられるクロスシリンダーテストを行なったときのこと。
提示している視標のぼやけかた・ゆがみかたが、

・1枚目のレンズのほうがマシ
・2枚目のレンズのほうがマシ
・どちらのレンズのぼやけかた・ゆがみかたもほぼ同じ

の、どれに当てはまるかを答えていただく過程において、何回やっても「2枚目」と答えるかたがいました。

「これは1枚目と答えるはず」の状況でも「2枚目」とお答えになるので、本当に2枚目がマシだと思って答えているのか、そのあたりを遠回しにお尋ねすると「だって私、2枚目が好きなんだもん」と言われました。

このときは「1枚目・2枚目」という表現を別の表現に変えることで何とかなりましたが、被検者に応じて臨機応変に対応していくことが信頼度の高い自覚的検査データを得るために検者に求められる技量かと思います。



  1. 2018/08/06(月) 23:30:38|
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今日の講義

神奈川県内の市立小学校へ、支援教育研修会の講師としてお邪魔しました。

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子どもたちが夏休みだからといって、先生がたも夏休みというわけではありません。
いろいろな研修があるのです。

今日は教員数30名ほどの小学校でした。

お話しする内容は、いつもとほとんど同じです。
マイナーチェンジはしますが、自分が伝えたいと思うことは盛り込んでいるので、あまり変えようがないのです。

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2時間半、お付き合いをいただきました。

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こちらの小学校は、ブランコが撤去されているとのこと。
遊具の中でも、前庭器官に刺激を与えることのできるブランコは、視覚機能の発達に、とても重要だと思うのですけれどね。


私がお邪魔する小学校は、お若い先生がたが多いです。
全国的にそうなのかはわかりませんが、私と同世代の、いわゆるバブルのころに就活をしていた世代の採用は少なかったそうで。


初めて聞くような話ばかりで、戸惑われたかもしれませんが、何か一つでもご参考にしていただけることがあれば幸甚です。


  1. 2018/07/27(金) 23:50:31|
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度数から視力の換算

前に少し詳しく書いた気がしますが。

視力から度数、ないし、度数から視力を換算するのは難しいです。

たとえば、裸眼視力が0.5だとして、度数がどれくらいになるかと問われたとして、近視であれば、-1.00D近辺かなという予測は立ちますが、遠視の可能性もありますし、乱視が加わってくることもあります。
結局のところ、眼疾患がないと仮定すれば、弱度の屈折異常があるのでは、としか言えないかと。

また、-3Dの近視だったら、どれくらいの裸眼視力になるかと問われても、それを正確に予見するのは難しいです。
眼鏡学校では、近視であれば-1.75Dくらいで0.1になると教わりましたので、0.1以下であろうとはいえると思いますが。

眼鏡学校のテキストに、「この度数ならこれくらいの視力」という目安の表が載っていますが、遠視系の場合には年齢でも変わってきますし、そもそも0.1以下になる範囲が広いですので、本当に参考程度にしかなりません。

先日、「近視の度数が○○なんですけれど、裸眼視力はいくつになりますか」という問い合わせがありまして、度数から考えて「0.1以下、0.05近辺じゃないでしょうか」とお答えしましたが、そういうアバウトな返答しかできないことをご了承ください。


2018年7月23日 追記

過去の関連記事です。
視力0.05は度数で幾つになるのか



  1. 2018/07/22(日) 23:50:32|
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21項目検査 #20 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

*************************************************************************

今週の21項目検査は、#20(実性相対性調節力)です。

視表の距離を一定にした状態で(眼前40cm)、マイナスレンズを付加していき、視標がボケるか二つに分かれて見えるかしたときの度数を記録します。
(測定を開始したときの度数から、マイナスレンズを何段階付加できたかを記録することになります。)


視表は、参考書によって多少の違いはあるようですが、私は近見用の0.7~0.8の文字視表を使用しています。

1103231.jpg



マイナスレンズを付加する

ピント合わせをする

両眼は輻湊する(調節性輻湊の発生)

視表のある距離と、両眼の視線の交差する位置とが異なってしまう

そうすると、視標がボケてしまうので、両眼を開散することで視表の距離に視線を合わせる

ハッキリ見える

マイナスレンズを付加する

ピント合わせをする



このサイクルの繰り返しをしていくことになります。

このメカニズムは、なかなかわかりにくい部分もあるかと思いますが、調節力が弱かったり、近見での開散力(虚性相対性輻湊力=#17)が弱かったりすると、#20の値は低くなるのが一般的です。


  1. 2018/07/18(水) 23:50:22|
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単眼複視

「複視」というのは、「一つのものが二つに見えてしまう」現象ですが、「単眼複視」かなのか「両眼複視」なのかによって、対処法が変わってきます。

単眼複視と両眼複視についてのウンチクは、こちらもご参照ください。
単眼複視と両眼複視

先日は、単眼複視で困っているかたから電話相談を受けました。
白内障術後に単眼複視が生じ始めたとのこと。

基本は屈折異常の矯正ですが、完全矯正しても解決しないそうです。
考えられるのは波面収差ですが(詳細は割愛します)、ドクターの話だと、波面収差はほとんどない、らしく。

そう言われてしまうと、手詰まり感がいっぱいです。
カラーレンズ、その他、ちょっと細工を施したレンズがいくつか思い浮かびますが、どうなのかなぁ、という感じです。

そういう頼りない返答しかできませんでした。
実際に、ご来店いただいて試してみないと、検証はできません。

このように、単眼複視の場合、完全矯正でも解消しない場合には、メガネでの解決は、かなり難しくなるのが一般的かと思います。


ここ数日、露骨に文中から当店サイトにリンクを掛けていますが、SSL化したURL
https://www.megane-isshindo.jp
を何とかしたくて、あれこれ試行錯誤中のため、ご容赦ください。
(と言いながら、さらに露骨にリンク掛けてる・・・)





  1. 2018/06/27(水) 23:46:02|
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21項目検査 #19 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#19(調節近点・調節力の測定)です。

#19Aが調節近点
#19Bが調節力
と一応分けられています。

調節近点は、眼前にセットした視標を

IMG_5629.jpg

徐々に近づけていくことで測定します。

IMG_5630.jpg


調節力は、視標の位置を眼前33cmに固定し、視標がボケて見えなくなるまでマイナスレンズを1段階ずつ増やしていく(遠視の場合は凸レンズを減らしていくことになります)ことで測定します。



厳密には、どちとらも片眼・両眼ともに行なうべしとされてはおります。

細かく言えば、どちらの測定にもデメリットというか、測定精度を低下させる要因が介在するのですが、年齢に比して明らかに調節近点が遠かったり、調節力が弱かったりということがないかどうかということは、確認可能です。



  1. 2018/06/20(水) 23:50:13|
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21項目検査 #18 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今回の21項目検査は、#18です。

#18Aが、近見時の上下斜位の測定
#18Bが、近見時での上下寄せ運動能力の測定です。

#12A、#12Bの近見バージョンになりますので、検査距離と視表が異なる以外、基本的な手順は一緒です。
測定時の度数は#13と同じです。

私は、#13で使用している

IMG_5228.jpg

こういう視表を使っています。

  1. 2018/06/06(水) 23:55:16|
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白内障手術の予後は?

・白内障があると診断されていて、矯正視力が悪い。
・でも手術はしたくない。
・メガネで何とかしたい。

これまで、何度か取り上げてきましたが、メガネの度数は強くすればするほど見えるようになるものではありません。
いろいろ度数を変えてみても、満足のいく見えかたにならないのであれば、それはメガネレンズで対応できる限界です。
私ではお役に立てないということです。

そうなると「手術をすれば、必ず見えるようになるのですか?」という話になります。
ご本人は手術をしたくないわけで、そういう流れになるのはわかります。

ただ、それは私がお答えできる類のご質問ではありません。

仮に、白内障になる前、1.0の視力(裸眼でも矯正でもよいのですが)があり、白内障以外の眼疾患がないのであれば、少なくとも現状よりは改善するのではないかとは思いますが、私が言うべきことではありません。

術後のご満足度は人それぞれです。
視力は向上しても、何か不満が残るかたもいますし、もっと早くやればよかったとおっしゃるかたもいます。

手術である以上、リスクもあるわけですし、その点はドクターから十分な説明かあるかと思います。

メガネで何ともならない以上は、ドクターとよくお話ししてくださいとしか申し上げられないのが実情です。





  1. 2018/05/26(土) 23:55:49|
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